2017年11月28日火曜日

研究集会@奈良

こんにちは、ラーニングサポート月曜担当の紅村です。
前回はボストンのワークショップについて書きましたが、今回は奈良で行われた研究集会について書こうと思います。

今年の8/27~30に、関数解析研究集会に参加するため、奈良に行ってきました。研究集会には比較的若手の研究者から修士学生までが集まり、合宿形式で行われました。期間中は朝から夕方まで講演が続き、夜は全国各地からいらした研究者の方々と交流を深めました。

自分も20分講演する機会を頂いたので、夏休みに読んだuniform Roe algebra(一様ロー代数)と粗幾何学に関する論文をスライドにして発表しました。7月から論文を読み始めてしっかり準備していったので、自分の発表は無難に終わりました。他の人の講演は最先端のものから基本的なことをさらうものまであり、大変勉強になりました。

研究集会は奈良女子大学で行われていたのですが、早朝の奈良女子大学周辺には鹿が群れていました。自分はかなり驚いていたのですが、現地の人々は特に気にしていなかったので自分も頑張って平静を装いました。

また、研究集会が終わってから帰りの新幹線まで時間があったので研究集会参加者の方々と奈良公園や東大寺を観光しました。中学生の時に修学旅行で行った以来だったので懐かしかったです。奈良公園では「しかせんべい」を持った観光客が鹿たちに襲われていました。



紅村

2017年11月7日火曜日

研究室のオフの顔②

こんにちは。
月曜担当の森下です。

ラーニングサポートは毎年10人程度で担当しています。
昨年木曜担当だった先輩の藤田さんに思いを馳せて、今日は同じタイトルの記事を。

世間で研究室というと、文系のゼミのようなものを思い浮かべる人も多いようです。
私も未だに家族に理解してもらえていません。

ゼミは授業時間の1,2コマで教科書や論文を輪読するスタイルが多いと聞きます。
一週間でいえば、24時間×7日=168時間あるうちの3時間程度ですね。
生活の2%程度です。

ところが理系の研究室の多くは、一日中実験をしたり文献を読んだり論文を書いたりしています。
たとえば私の研究室では、平日はだいたい10時~20時くらい、土日も週によっては行くので、週60時間くらいでしょうか。
生活の約35%です。

化学系や生物系のもっとハードな方々は、50%近くなる人もいるのではないでしょうか。
知的好奇心を満たすために生活の多くの時間を費やせるのは、我々の特権ですね。
なかには本物のブラック研究室に入って嫌になる人もいるようですが。きっとそんな研究室は、慶應には無いと思いますよ(笑)

これではまるで俗世間とかけ離れた修行僧のようですが、矢上の学生も人の子です。
残りの65%はどんな生活をしているのでしょう。
日常ではないですが、私の研究室で開催される夏の2大イベントをご紹介します。

(1)勉強会
8月初旬に行われます。
物理情報工学科と生命情報学科の2研究室の合同で、研究内容を卒論・中間発表の本番さながらに発表します。
事前に発表練習を重ねて臨むので、緊張感のある会です。
1ヵ月くらい前になると「資料づくり進んでる?」などと話題になり、みんな周囲の様子が気になりだします。
実験データが揃っていない人は焦ってデータをまとめていました。
勉強会には、研究室OBで他大学で教鞭をとられている先輩も、愛知からわざわざ来てくださいます。
そんな中議論するので大変有意義なものになりました。
学部生にとっては9月に控える中間発表に向けた良いシミュレーションになっています。

(2)旅行
こちらは8月下旬でした。
研究室の学部、修士、博士の学生、そして先生も一緒に、今年は伊豆の海を満喫してきました。
海水浴、ビーチバレー、すいか割り、バーベキュー、花火、観光、、、
一泊二日で、遊びに集中!研究は一切なしです!(バーベキュー中に研究の話でアツくなっている人たちもいましたが・・・)
私は学部時代、体育会だったので夏は合宿や遠征ばかりでした。
遊びの旅行へ行くというのがとても新鮮で、思いきり学生気分を味わうことができました。
The大学生という感じの経験ができて、これはこれで楽しかったです。

宿泊した海沿いの大型コテージのテラスにて。
夜は22人全員でバーベキュー!

オフの顔を紹介するつもりでしたが、一つ目はオンの顔でしたね。
夏休み以外でも、研究室の有志で釣りや登山、バスケットボールをして、オフを楽しんでいますよ。また機会があればご紹介します。
オンもオフも楽しんで、研究室ライフを充実したものにしてください。

2017年11月3日金曜日

iwasawa2017

 こんにちは。ラーニングサポート水曜担当の臺信(だいのぶ)です。はじめてブログ執筆を担当します。今回は少し前になりますが、七月の下旬に東京大学で行われたiwasawa2017という整数論の研究集会に参加してきたことについて書こうと思います。

 整数論の研究集会であるiwasawa0000(←年号が入る)はその主題である「岩澤理論」生みの親、岩澤健吉先生にちなんだもので、今年はちょうど岩澤先生の生誕100周年ということで例年に増し国内のオーガナイザーの方々は精力的に取り組まれていました。(ちょうど私の指導教員の先生がメインとなっていたのですが、いつもお忙しそうにされていました。。。お疲れさまでした!)

 岩澤理論とは簡単に言うと、ゼータ関数という関数の値(解析的なもの)とイデアル類群という代数的に出てくる対象とが実は深く関係していると主張する理論です。 イデアル類群をここで説明するのは難しいですが、ある数の集合における素因数分解の困難さを測るもので、整数論的には非常に興味深い対象なのです。 つまり、一見すると、由来が全く異なる二つのもの(片方は私たちが知りたいもの!)が実は深く結びついているということですね!

 今回私は研究集会初参加だったのですが、周りはいつも本の中でお名前を拝見していたような著名な数学者ばかりで、とんでもない刺激になりました。講演のなかには、自分も大筋を理解できるものがいくつかあり、私としては非常に収穫の多いものとなりました。写真は指導教員の先生の公演です。




 また、講演の合間の休憩中、参加者の方々が召し上がるお菓子やお茶の準備にも参加したのですが、朝の時間帯は皆さんコーヒーがお好みのようで、新しいのを出しても出してもなくなっていたのが思い出されます。自分も毎朝コーヒーをがぶ飲みして数学ができるようになりたいと思うばかりです。


臺信

2017年11月1日水曜日

サマーインターンシップ

こんにちは。
ラーニングサポート火曜日担当の木村です。

今回は企業でのインターンシップ(就業体験) に関する記事です。

近年では多くの企業がインターンシップを実施しており、
学生(特に研究室生活が中心となる理系院生)にとっては、就業観を醸成し、入社後のミスマッチを軽減するための貴重な機会となるのではないでしょうか。

私は今夏、ヘルスケア関連事業を扱うメーカーにて、2週間のインターンシップに参加しました。今回はその経験についてお伝えしようと思います。


1.志望動機
研究室のアカデミックな研究と、研究所でのビジネスとしての研究との違いを学び、
自分の進路選択の参考にしようと思ったためです。


2.選考過程
エントリーシートの提出およびWebテスト、社員の方との面談を経て、
インターンシップへの参加が決定しました。


3.内容
実際の製品開発をおこなっている研究所に配属され、
チューターの方のもとで研究をおこなうOJT(On-the-Job Training)形式のインターンでした。

チューターの方をはじめとする事業部の方々と相談しテーマを決定後、2週間実習をおこないました。
詳細については企業秘密のため明かすことはできませんが、
実際に自らの手でデータを計測し、その結果から仮説を立案し、それを立証するという内容でした。
最終日には、研究所のトップである部長の前でプレゼンし、質疑応答までおこないました。その後は他の実習生との懇親会が開催され、全国から参加した学生と交流を深めました。


4.意識したこと・学んだこと
実習中は、常に時間との戦いでした。
ビジネスの現場ということもあり、限られた実習時間のなかでどれだけの成果を出せるかということはもちろんのこと、報告書や資料の作成は余裕を持って納期までに仕上げること、会議の集合時間などは常に5分前に行動するよう心がけました。


5.最後に
実際の業務を体験できるだけでなく、多くの社員の方々の声を直接聞けるというのは長期インターンの強みであると感じます。
研究と就職活動の両立は大変ですが、研究室の中だけでは学ぶことのできない様々な「気付き」を与えてもらいました。
この経験を今後の研究活動に活かしていこうと思います。


以上、インターンシップに関するご報告でした。