2024年1月30日火曜日

災害時の対応・私たちにできること(火曜担当 浦野)

2023年度秋学期ラーニングサポート火曜12:30~14:00担当の浦野です。

理工学メディアセンター本館1F レファレンスデスクにて、月曜~金曜12:30~15:30にラーニングサポートスタッフがお待ちしております。

スタッフの出身学科や研究室などはウェブサイトなどで確認できるので、ご希望のスタッフがいる日時にぜひお越しください。

また、1/31(水)〆切で来年度のラーニングサポートスタッフを募集中です。

是非ご応募ください!!

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今回のテーマは災害時の対応や災害前に私たちにできることについてです。

今年の元旦に能登地方にて大震災が起こりました。規模としては東日本大震災に次ぐものとのことで、かなりの被害をもたらしています。

亡くなられた方も1月6日時点で100名を超えているとのことです。この場をお借りして、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

慶應義塾大学のある関東地方では、関東地方を震源とする大震災は関東大震災以降発生していませんが、気を抜けるわけではありません。今後30年で首都直下型地震や南海トラフ地震が発生すると予測されています。人工密集地域である関東地方での被災が被害規模は尋常ではないと思われます。

私たちおよび身近な大切な人を守るため、私たちにできる対策は行っておきましょう。私自身、地震への対策をほとんど行っていなかったので、これを機に備えていこうと思います。

以下に地震が起きた場合の対処方法、地震が起こる前に準備しておくことを示しています。皆さんの参考になれば幸いです。


・地震が発生した場合にまず行うこと

①身の安全を確保する(机の下に隠れる、ショーケースやガラスなど崩れたりするものからは遠ざかる)

②火の始末をし、窓や扉を開けて避難路を確保する

③ラジオやSNSなどで避難指示を確認する

➃津波警報が出ている場合は津波浸水想定地域外またはなるべく高い所まで避難する


・防災グッズとして持っておいた方がいいもの

①食料品2~3日分(水9L/人、栄養補助食品、温める必要のないレトルト食品など)

②救急用品(常備薬、包帯、ばんそうこう、生理用品など)

③公衆電話用の10円硬貨など現金

➃身分証のコピー

➄避難用具(懐中電灯、予備の乾電池、ヘルメット、モバイルバッテリーなど)

⑥生活用品(携帯トイレ、ウェットティッシュ、ポリ袋など)

⑦レインコートや防寒用の上着


・地震が発生する前に事前に行っておくべきこと

①ハザードマップ(避難場所)を確認する

②自分のいる建物の避難経路を確認する

③防災グッズを用意する

➃避難時に家族を落ち合う場所を話し合っておく

➄防災訓練に参加する


・学内で被災した場合の避難場所

避難場所:矢上グラウンド、駐車場

学内ネットワークからアクセスできるSafetymanual(https://www.env.keio.ac.jp/05_safety/)に緊急時の対処法が書いてあります。

事前に確認しておきましょう。



参考にしたサイト

・https://www.kepco.co.jp/brand/for_kids/teach/2018_05/detail2.html

・https://www.navinavi-hoken.com/articles/emergency-goods#1fe2031410338a3d

・https://www.navinavi-hoken.com/articles/earthquake-countermeasures

・https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/jisin/sonae10.html


最後に、能登地方の復興を祈り、ブログを締めさせていただきます。

以前訪れた和倉温泉は湯質が大変よく、復興したら是非また訪れたいと思っています。


浦野

2024年1月17日水曜日

第一原理計算をちょっとだけやってみて(火曜担当 西出)

 

こんにちは!


毎週火曜日14:00~15:30を担当しています、応用化学科修士2年の西出です。

今回は最近私が勉強している"第一原理計算"ついてお話ししたいと思います!

第一原理計算とは材料開発の分野などで広く用いられている理論計算の手法であり、有名なスーパーコンピューター”富岳”を用いるほど、高度な計算です。かならずしも”富岳”のような超ハイスペックなコンピューターが必要なわけではなく、普段使いしているノートパソコンでも計算を行うことができます!(その分計算に時間がかかったりしてしまいますが。)

今年の春学期まで第一原理計算のことをほぼ知らなかった自分ができるかぎりわかりやすく第一原理計算の内容とやり方をお話ししていきますので是非是非読んでみて下さい!


第一原理計算ってなに?

第一原理計算とは、量子力学に基づき物質中の電子の状態を理論計算により求めることで、理論的に物質の性質を予測するものです。

量子力学??電子の状態??矢上キャンパスに通う方々には1年生の時に授業で出てきたシュレディンガー方程式などが頭をちらつくのではないでしょうか。まさにそのシュレディンガー方程式を使わないといけません(笑)。

化学などに詳しくない方に向けてより簡単な説明を。

多くの材料化学の研究では、まず欲しい機能(色を自由自在に変えられるなど)を定め、その後そのような機能を持たせるためにはどのような元素を用いてどのような形状の物質を作ればいいのか、と決めていきます。118種類ある元素から適切な元素を選び、その後物質の形態(薄いフィルムがいいのか、粒子がいいのか、トゲトゲのウニのような形がいいのかなど)を決めていきます。ここで決めたものを実際に実験で合成し、その特性を評価することで自分の予想通りの特性を持つ物質ができたのかを確認し、もし自分の予想との間にギャップがあればその原因を考え新たな試料を合成していく流れになります。

これに対し第一原理計算では、現実の物質を原子レベルでパソコンの中に再現することで物質がどのような性質を持つかを理論的に予測するものです。実験を行うことなく、経験的な要素も一切用いず、物質の性質を予測することができます。実際に、明らかになっていないメカニズムの解明や実験により得られた結果に対する理論的な検証として幅広く用いられています。


第一原理計算ってすごいものなのでは?

そうなんです。第一原理計算は非常に強力なツールであり、理論と実験の両方から研究を行えば、理論に基づいた実りのある考察や議論が可能です。Google Scholar(論文検索サイト)で第一原理計算(英語ではFirst Principles Calculation)と検索すれば多くの論文がヒットし、第一原理計算の結果だけで1本の論文を書き上げているものも少なくありません。

しかし、そんな第一原理計算にも課題はあります。

最大の課題は現実と理論のギャップにあると私は考えています。現実の世界での物質の状態をコンピューターの中で正確に再現することは非常に難しく、これを実現しようとすると、高度な計算が求められます。一般的に計算の難易度が上がると計算にかかる時間も増えてしまうため、難しい計算を行えば行うほど、多くの時間を計算に必要としてしまいます。

そのような背景もあり、計算には非常にハイスペックなコンピューターを用いることが多いです。有名なスーパーコンピュータ”富岳”を用いることで多くの研究成果もあげられています。下にいくつかの例を示します。

理化学研究所、東京大学、日本原子力研究開発機構らの共同研究

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/7869/

筑波大学、神戸大学、国立研究開発法人科学技術振興機構の共同研究:https://www.tsukuba.ac.jp/journal/technology-materials/20220106140000.html


第一原理計算ってどうやるの?

第一原理計算のために必要なものは、PCと第一原理計算用のソフトウェアです。PCについては、ハイスペックなものの方が計算が早く終わりますが、普段使いしているノートパソコンのようなものでも簡単な計算は可能です。第一原理計算用のソフトウェアについては、最も有名なものはVASPと呼ばれる有料のソフトウェアですが、Quantum EspressoやPHASEといったフリーソフトもあり、第一原理計算をやってみよう!と思った際にはフリーソフトからやってみることがオススメです!


さいごに

いかがでしたでしょうか?

かなり難しく専門的な話になってしまいましたが、へぇそんなことができるんだ!と思って頂ければ非常に嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


西出


2024年1月16日火曜日

有機化学に関するデータベースの使い方(火曜担当 浦野)

 2023年度秋学期ラーニングサポート火曜12:30~14:00担当の浦野です。

理工学メディアセンター本館1F レファレンスデスクにて、月曜~金曜12:30~15:30にラーニングサポートスタッフがお待ちしております。

スタッフの出身学科や研究室などはウェブサイトなどで確認できるので、ご希望のスタッフがいる日時にぜひお越しください。

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今回のテーマはSciFinder-nの使い方です。

有機化学に関わらないテーマの方には無縁かもしれません。すみません。。。


1.SciFinder-nについて

CAS (Chemical Abstracts Service)が提供する文献・物質・反応データベースです。私は自分の合成したい化合物の反応経路を探す際にもっぱら使用しています。同様のことはElsevier社のReaxysでもできるようです。


2. SciFinder-nへのアクセスの仕方

理工学メディアセンターのウェブサイトからアクセスできます。

おすすめデータベースまでカーソルを持って行って、上から10番目にある"CAS SciFinder-n"をクリックしてください。そうすると、Database NAVIに飛び、リンクをクリックするとSciFinder-nのウェブサイトに飛ぶことができます。(上から11番目は"Reaxys")

なお、keio.jpアカウントでのユーザー登録が必要で、登録は学内のネットワークに接続していないとできないので、ご注意を!

一度登録を行えば、以降は学外ネットワークでもログインできるようになります。

*上から9番目にある"Google scholar"も論文検索に大変有用です。是非ご利用ください。

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3. SciFinder-nの使い方
サリチル酸を例に説明します。

3-1. 化合物の検索
タブの左から2つ目"Substances"ではその化合物のCAS番号や類似化合物を検索することができます。また、その化合物を取り扱っている会社も調べることができます。
まず、以下のように化合物を描いてみましょう。


そうするとこういう風に結果が出てきます。

("ChemDraw"で描いた化合物をそのまま検索できる機能も以前はありましたが、SciFinderのアップデートに伴い、最近はできなくなりました。ChemDrawのアップデートが行われれば再度対応するかもしれません)

"As Drawn"
描いた化合物と全く同じ構造の化合物が検索結果として出てきます。他に出てくるのはアニオン(陰イオン)化したものや重原子に置換したものなど、構造としては全く同じものです。サリチル酸の横に書かれている"69-72-7"は化合物それぞれに付番されているCAS番号です。名称は分からないけど構造は分かる試薬を買いたい方はインターネットやメーカーウェブサイトでCAS番号を使って検索すると簡単に見つけられます。CAS番号でも化合物の検索をすることができます。

"Substructure"
描いた化合物の置換基を他の置換基に変更したものが検索結果として出てきます。イメージとしては描いた構造部分を含む化合物が検索できるといった感じなので、"As Drawn"の検索結果は全て"Substructure"でも出てきます。

"Similarity"
似た構造の化合物を検索できます。置換基の位置が違うものや元素の種類が違うものなどが検索できます。


3-2. 反応検索
タブの左から3つ目"Reactions"では、描いた化合物を原料とした/生成物とした反応検索を行えます。
構造式の右側に矢印を加えてみると、化合物の下に"Reactant(原料)"という単語が出てきましたね。逆に、構造式の左に矢印を加えると"Product(生成物)"となります。こうしてサリチル酸を使った反応を調べたい場合、サリチル酸を合成する反応が知りたい場合どちらにおいても反応検索にて対応しています。


こちらがサリチル酸を原料とした反応の検索結果(一部抜粋)です。

サリチル酸のヒドロキシ基を酸化させてアセチルサリチル酸を合成する反応です。反応に使う溶媒、試薬、触媒、反応温度が表示されているので、実験前の事前準備も簡単です。"Suppliers"をクリックすれば化合物のCAS番号やその化合物を取り扱っているメーカー一覧を調べることができます。また、溶媒や触媒など条件を絞ることも可能なので、調べたい反応が研究室にある試薬で行えるかなどを確認することも可能です。右の"Acetylation of~"はその反応が載ってある論文のタイトルです。事前にしっかり読んで実験の準備をしましょう。しかし、この論文は慶應の認証ではアクセスできません。その場合はメディアセンターで文献複写の取寄せを利用してみましょう。また、研究活動に使用する場合は研究室から取寄せ料金を負担してもらえる場合があります。事前に指導教員に確認しましょう。
(料金や日数などはメディアセンターまでご相談ください😄)

*空気や水に曝露されると爆発するものや匂いの強烈なものなど危険な試薬が載っている場合があります。実験前には必ず事前に先輩・教員に試薬の取扱いについて確認したり、自分でその試薬のSDSを調べたりするようにしましょう。


簡単にSciFinder-nの機能解説をいたしましたが、いかがでしょうか。
他にも目的の化合物が使われている論文を調べたりなど有機の研究をする方には必携のものとなっております。
以下のリンクにマニュアルが載っているので、是非ご確認ください。
https://www.jaici.or.jp/cas-scifinder-discovery-platform/

浦野




矢上生のお昼ご飯事情(木曜担当 高城)

こんにちは!
ラーニングサポート木曜日担当の 高城 です。

・機械系の授業でわからないことがある

・研究で困っている

・学校生活に関して相談したい

という方、是非お気軽にお声掛けください!

毎週木曜日 14:00~15:30 理工学メディアセンター本館1階 レファレンスデスク
にてお待ちしています。

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今回は私のお昼ご飯事情を紹介したいと思います。

日吉キャンパスの時にはよく「ひようら探索」に行きました。
(「ひようら」とは、東急線日吉駅から見て日吉キャンパス”ではない側”に広がる商店街のことです。)
学生街ということもあり、たくさんの飲食店が軒を連ねています。

特にラーメン屋さんが多く、日吉キャンパスに通う慶應生はそれぞれ”お気に入りラーメン店”を持っていることが多いです。
(私はがっとん派です。ポイントカード5枚目くらいです笑。)

一方、矢上キャンパス周辺には、お昼ご飯をGETできる場所は数えるほどしかありません。
周りに飲食店は少ないですし、そもそも矢上の坂が精神的に外出を妨げます。
(キャンパスに入るためには再度坂を上る必要があります。)

今回紹介するのは私が知っているほぼすべてのお昼ご飯場所ですが、
お昼ご飯場所に困っている人やワンパターンになっている人の参考になれば嬉しいです。

①学食

矢上キャンパス内16-A棟(厚生棟)にある「矢上食堂」です。
私はここでお昼ご飯を食べることが一番多いです。

利用者は自分の食べたい料理を注文しお盆に載せてもらいます。
主菜や副菜の組み合わせだけでなく、ご飯の量やお味噌汁など、細かくカスタマイズできることが魅力です。
また、メニューは頻繁に変わり(2週間ごと?)、その時々の限定メニューを楽しむことができます。

チーズメンチカツ:中のとろ~りチーズが最高です

鮭丼:どんぶりに入っていてボリューム満点です

ちなみに私の一番好きなメニューは「オクラの巣ごもり」です。(副菜です)
最近は鳥インフルエンザの影響で卵の価格が高騰しているため、このメニューは幻となっていますが、復刻を願っている人は多いはずです...!

学食は11:30~の営業ですが、お昼休みの時間帯(12:15~13:00の間)は特に混雑します。
席の回転は速いのでそこまで待ちませんが、可能であればピークをずらすことをおすすめします。

②矢上ベーカリー

2022年6月にオープンした焼き立てパン専門店「矢上ベーカリー」です。
矢上キャンパス正門の階段を上がってすぐの14棟創想館1階にあります。

矢上ベーカリー:たくさんの種類のパンが並んでいます

”慶應”と印が押された「慶應あんぱん」や揚げたての「カリカリカレーパン」などが定番商品として人気です。

よく限定パンを販売しており、以前食べた「特大メロンパン」は最高でした。
メロンパンの直径が500mLペットボトルぐらいあり、大満足の一品でした。

また、新製品も頻繁に並んでおり、先日食べた「紅茶とリンゴのロール」「じゅわっとしたチーズのフランスパン」はとてもおいしかったです。

紅茶とリンゴのロール(手前)、じゅわっとしたチーズのフランスパン(奥)

他にも、甘いパンやお総菜パンなど種類豊富に取り揃えられています。
ぜひ一度行ってみて下さい。

営業時間が10:30~16:30と長いので、学食が開く前や閉まってしまった後の時間でも利用できます。(最新の営業時間は慶應義塾生活協同組合のWebサイトでご確認ください。)

③キッチンカー

お昼時になると毎日、22棟と23棟の間にキッチンカーが2台ほど出店しています。
来ているキッチンカーは日替わりで、「唐揚げ弁当」や「カレーとナンのセット」、「ケバブ丼」など、多様なランチボックスを味わうことができます。

キッチンカーのランチボックス:日替わりで飽きません!

人気のメニューは早めに売り切れることもあるようです。
どんなキッチンカーが来ているのか、ぜひのぞいてみてください!

➃セブンイレブン

時間がない時や、お昼ご飯の時間が学食のピーク時とかぶってしまったときに使います。
おやつや夜ご飯を調達するときにもおすすめで、授業を頑張った後のアイスは格別です。

➄たちばな

矢上キャンパスの目の前にある「食楽部たちばな」という定食屋さんです。

たちばな:矢上キャンパスの目の前にあります

お昼ご飯のために遠出をするのは億劫だと思ってしまう私ですが、坂を降りてすぐの場所にあるので、ここまでなら行こうかなと思えます。

安さやメニューの豊富さが魅力ですが、私が初めて訪れた時には特に”量の多さ”に驚きました。
一人前の定食が運ばれてくると「大丈夫かな?食べきれるかな?」と思ってしまう程で、
小食な方は注意が必要です。
ここに来ればおなかペコペコな矢上生も満腹になれると思います。

また、たちばなはお店を構えて50年以上になるそうです。
長年矢上生のおなかを満たし愛されてきた食堂に、ぜひ一度は足を運んでみてください!

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最後に

新しいお昼ご飯場所の開拓ってなんだか楽しいですよね。
自分なりのお気に入りを見つけて、矢上キャンパスライフを楽しんでください😋

高城

2024年1月11日木曜日

プレゼンバトルの感想(木曜担当 高城) 

こんにちは!
ラーニングサポート木曜日担当の 高城 です。

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毎週木曜日 14:00~15:30 理工学メディアセンター本館1階 レファレンスデスク
にてお待ちしています。

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皆さんは理工学メディアセンターでイベントが開催されていることを知っていますか?

先日12/07には「第3回 プレゼンバトル」が開催されました。
そこで私は司会進行を務めたので、今回はその雰囲気と感想を紹介します。

プレゼンバトルのポスター(理工学メディアセンターWebサイトより)

なんで図書館でプレゼン?

以前は、本を紹介して戦う”ビブリオバトル”が開催されていました。
ですが、これは日吉キャンパスでも行われており、理工学メディアセンターならではの企画立案が求められました。

そこで着目されたのが”プレゼン”です。

理工学部生は、研究会や学会などでプレゼンをする機会が比較的多いと言えます。
気軽にプレゼン力を試したり磨いたりできる場を提供できないかと考え、
プレゼンバトル開催に至ったそうです。

プレゼンバトルの流れは?

・各自が選んだテーマ(趣味、研究内容など自由!)​​​​​を7分間でプレゼン
​・5分間の質疑応答タイム
・最後に「もっと聞きたくなった」「面白かった!」というプレゼンに会場全員が投票し、
 No.1プレゼンター(優勝者)を選ぶ
・優勝者とは別に、所長賞もある(理工学メディアセンター所長田中敏幸先生が選定)

今回のプレゼンバトルでは、総勢6名のプレゼンターが発表しました。
ここからは当日の様子を紹介します。

①個性豊かなプレゼン

今回のプレゼンターは理工学部生だけでなく、経済学部や総合政策学部、看護医療学部など、様々なキャンパスからの出場でした。
普段なかなか接点のない学部の学生と関わり、新鮮でした。

また、学部1年生が4人と最も多く、はつらつでフレッシュなプレゼンが多かったです。

出場者のみなさん:真剣な表情で最終準備をしています

それぞれのプレゼンでは、自分の信念や考え、趣味、研究などについて発表しており、どれも大変面白かったです。

会場では何度も笑い声が上がり、プレゼンターの”プレゼン力”に圧倒されました。

②和気あいあいとした雰囲気

今回のイベントは現地参加のみでしたが、15名程度の観戦者が来ていました。
学生だけでなく、先生方や矢上キャンパスの職員の方の姿も見られました。

質疑応答の時間では、活発な意見交換や議論が交わされ、5分間に収まり切らないほどでした。

会場の様子:プレゼン中は皆さん真剣です

また、プレゼンバトル終了後には、プレゼンター、観戦者問わず、新しい交流が生まれ、
とてもにぎわっていました。
お互いに発表の感想を述べたり、意見を交換し合ったりと有意義な時間となりました。

プレゼンバトルを終えて:仲良くなりました!

③優勝者は…

第3回プレゼンバトルの優勝者は「看護医療学部1年 角田芽衣菜さん」
所長賞は「総合政策学部1年 富井優花さん」でした!

優勝者の角田さんとメディアセンター所長の田中先生

お二人とも1年生とは思えないほど堂々としたプレゼンで、引き込まれました。

また、プレゼン資料(スライド)への工夫も格別で、
”心を動かす発表”、”インパクトのある資料”の作り方や心得を学びました。

おまけ:飲み物をもらえる!

今回、プレゼンターおよび観戦者全員に飲み物が配られました!
お茶や紅茶、コーヒー、ジュースなど6種類くらいの中から選ぶことができました。

貰った飲み物を飲みながら観戦する様子も見られ、皆さんリラックスしているようでした。

選べる飲み物:種類が多く迷ってしまいます

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最後に

メディアセンター主催のイベントはほかにも開催しています。
理工学メディアセンターWebサイトやkeio.jpのお知らせ欄、校内のポスターなどに注目してみてください!

次回の参加をお待ちしております♪

高城

2023年12月21日木曜日

量子コンピュータって何が凄いの?(木曜担当 近藤)

こんにちは!

ラーニングサポート木曜担当の近藤です。

  • 化学系の授業で困っている
  • 学校生活について相談したい

という方は、是非お気軽にお声掛けください!

【毎週木曜12:30-14:00 理工学メディアセンター本館1階レファレンスデスク】

にてお待ちしております。

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最近何かと耳にする量子コンピュータ。気になっている方も多いのではないでしょうか。慶應は量子コンピュータの研究にかなり力を入れているので、量子コンピュータ関連の研究室もそれなりにあります。かく言う私の研究室でも量子コンピュータ関連の研究は行われており、色々と情報が入ってきます。

そこで今回は量子コンピュータが従来のコンピュータと比べてどう凄いのかをざっくりと説明します。私自身は量子コンピュータとあまり関係のない研究を行っているので、細かい話については説明できないのですが、研究室の先生やメンバーから話を聞いて、基本的な知識とイメージを持っています。ですので、詳細な話は入門書にお任せすることにして、ここでは量子コンピュータについて何も知らない人に向けて、専門用語を出来るだけ使わず大まかなイメージを伝えることに努めます


量子コンピュータと従来のコンピュータの違い

従来のコンピュータを電卓にたとえるとしたら、量子コンピュータはサイコロにたとえられます。ただし、ただのサイコロではなく、"正解が出やすい特別なサイコロ"です。量子コンピュータはこの特別なサイコロを振って計算を行います(サイコロを振るというのは比喩で、実際には"量子ビット"というものを使って計算を行うのですが、詳しい話は割愛します)。サイコロを振って答えを決めるので、計算する度に出てくる答えは変わりますし、正解したり外したりします。"正解が出やすい特別なサイコロ"なので、"10+5"という計算に対しては"15"という答えを出すことが多く、たまに"14"や"16"といった間違った値を出してしまう、というイメージです。

そう聞くと多くの方が「従来のコンピュータの方が良いのでは?」と感じると思います。正解する確率が高いとはいえ、量子コンピュータは間違えることもあるわけで、それならば絶対に間違えない従来のコンピュータを使った方が良いはずです。実際、その認識は間違いではありません。計算速度に関しても、量子コンピュータの方が常に速いというわけでもありません。量子コンピュータは従来のコンピュータの上位互換ではなく、限られた問題に特化した性能を有しています


量子コンピュータの使いどころ

量子コンピュータが得意とする問題の一つとして「組合せ最適化問題」が挙げられます。組合せ最適化問題とは、ルート選択や勤務シフト作成といった「多数の組み合わせの中から最良の組み合わせを見つける」というタイプの問題です。従来のコンピュータで組合せ最適化問題を解く場合、全ての組み合わせについて計算を行い、その計算結果を比較することで最良の組み合わせを見つけることになります。しかし、選択肢が増えれば増えるほど、考えなくてはいけない組み合わせの数は爆発的に増えていきます。例えばルート選択問題の場合、自宅から近所の公園くらいまでであれば、それほど多くのルートは存在しないと思いますが、隣の県、隣の地方、隣の国…と目的地が離れると検討すべきルートの数は一気に増えます。それら全てのルートを従来のコンピュータで計算することは時間がかかり過ぎるので現実的ではありません(ただし、あまりにも不合理なルートについては計算を省くことができます)。一方、量子コンピュータであれば、全ての組み合わせについていちいち計算する手間を省けます。量子コンピュータによる組合せ最適化問題の解き方は、次のような特徴を持ったサイコロを振ることに近いです。

  • 組み合わせの数だけ面があり、各面に一つずつ組み合わせが書かれている(100通りの組み合わせを考える場合、百面体のサイコロ)
  • 求める条件に合致する組み合わせの面ほど出やすい(最短ルートを考えている場合、時間のかからないルートの面ほど出やすい)

どの組み合わせが求めたいものであるかを知らなくとも、問題設定を知っていれば上記のようなサイコロは作れます。そして、このサイコロを一回振れば、それだけで最良の組み合わせを得られる可能性があります。とはいえ、別の組み合わせが出てきてしまう可能性も否定できません。そこで、サイコロを何度も振り、最も多く出てきた組み合わせを最良の組み合わせと考えます。量子コンピュータの場合、サイコロを何度も振る手間はかかりますが、膨大な数の組み合わせを全て計算することに比べたら遥かに低い計算コストで問題を解くことができます。

また、量子コンピュータは間違えることもあるという欠点を抱えていますが、間違いを自動的に修正してくれるような量子コンピュータの開発も進められています。ただし、間違いの修正には非常に多くのサイコロが必要となるため、実用レベルのものはまだ開発されていません。

今回は量子コンピュータが有効な例として「組合せ最適化問題」を挙げましたが、他にも応用例はあり、今流行りの機械学習への適用も期待されています。とはいえ、まだまだ量子コンピュータは研究開発段階であり、実用化段階には至っていません。多くの人にとって身近な存在となるまでにはもう少し時間がかかるでしょう。


終わりに

いかがだったでしょうか。量子コンピュータは次世代のコンピュータですが、何でも出来るスーパーコンピュータではない、ということだけでも覚えて頂ければ幸いです。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。


近藤


2023年12月18日月曜日

理工学メディアセンターの賢い使い方~自習エリア編~(木曜担当 高城)

こんにちは!
ラーニングサポート木曜日担当の 高城 です。

・機械系の授業でわからないことがある

・研究で困っている

・学校生活に関して相談したい

という方、是非お気軽にお声掛けください!
毎週木曜日 14:00~15:30 理工学メディアセンター本館1階 レファレンスデスク
にてお待ちしています。

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前回の記事では【理工学メディアセンターの賢い使い方 第一弾】として、メディアセンターで利用できる様々な書籍に関して紹介しました。

試験対策本や一般書、雑誌、新聞が置いてあることに驚かれた方もいるのではないでしょうか。

今回は【理工学メディアセンターの賢い使い方 第二弾】ということで、「自習エリア」に関して紹介したいと思います。

「一コマ空いたけど、どこかで集中してレポート書きたいな」

「友達と授業の発表に関して相談しながら準備したいな」

と思うこと、ありますよね。

メディアセンターの自習エリアには様々なタイプがあり、それぞれの場面に応じて使い分けることができます。

以下では、シーン別に私のおすすめ自習エリアを紹介します。


①静かに集中したい

授業のレポート作成やテスト勉強など、一人で静かに集中したい場面は結構ありますよね。
そんな時には、本館入って右奥の「静かエリア」がおすすめです。

ここには「静かに」という貼り紙もあり、利用者は各々集中しています。
静かに集中できる場所は他にもたくさんありますが、特にここの席は「卓上ライトが使えること」と「使えるスペースが広いこと」が魅力です。

人気の席で、特に3限の時間帯には埋まっていることもあるので、利用したい場合は早めに来ることをおすすめします。

静かエリア:広々と机上を使うことができます

②少し雑音がある中で勉強したい

カフェでの勉強や作業がなぜか捗る時、ありますよね。
気分転換にカフェのような感覚で勉強したいという時には「学習エリア」がおすすめです。
場所は、創想館1階(入口入ってすぐ)です。

学習エリアは、1人でもグループでも利用することができます。
オンライン授業の受講、小声・小音での音出しが可能のエリアであり、床下に電源もあります。

また、大小さまざまなサイズのテーブルがあり、広いテーブルにテキストや参考書を目一杯広げて勉強することもできます。

学習エリア:開放的な環境で勉強できます

③友達と話し合いながら勉強したい

大学院生になってからは友達と一緒に勉強することはほとんどなくなりましたが、
学部生の方は授業内の発表の準備など、友達と一緒に作業をする場面がありますよね。
また、研究室の仲間とホワイドボードを使ってディスカッションをしたいという時もあると思います。

そんなときにおすすめなのが「グループ学習室」です。
場所は、本館2階の階段上がって左側です。

ここにはグループで学習できるようボックス席やアイデアルームがあります。
ホワイトボードとホワイトボード用マーカーも置いてあり、
友達と計算式を確認したり、アイデアを共有したりしながら議論ができます。

オンライン授業などでPCから音を出す場合や、たくさん発言するときなど、一人での利用も可能です。

注意点として、同じフロアに閲覧席エリアがあるのを忘れないでください。
たまに”雄叫び”のような大きな声が聞こえる時があります(なんで?笑)。
声量やPC音量に注意して利用してください。

グループ学習室:ソファー席でファミレスのような感覚で話し合いができます

➃パソコンを使いたい

オンデマンド授業を受けたいときや、大きい画面で作業がしたいとき、パソコンを忘れた時などにおすすめなのは、本館1階手前の「PCエリア」です。

創想館1階にもPCエリアがありますが、本館PCエリアの魅力は「机が広い」ことです。
教科書やノートなどを広げてパソコンを使うことができます。

プリンターにも簡単に接続できるため、様々な用途で使うことができます。

PCエリア:広々と集中して勉強することができます

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最後に

今回紹介した場所以外にも、たくさんのタイプの自習エリアがあります。
(セミナールームや夜間も開放している場所もあります(時期によります)。)

この記事をきっかけに、自分なりのメディアセンター活用術を見つけてみてほしいです。

メディアセンターの利用に関して困りごとや相談したいことがあれば、
理工学メディアセンターWebサイト(https://www.lib.keio.ac.jp/scitech/)やカウンター、レファレンスデスクなどをご活用ください。

もちろん、ラーニングサポートの活用も大歓迎です。
お待ちしております😊


高城