2018年11月29日木曜日

ダブルディグリープログラムのお話(最終回: 授業や研究)

こんにちは。管理工学科修士二年の櫻井です。日が短くなり冬が近づいてきましたね。

過去2回ダブルディグリープログラムに関する記事を書きましたが今回で最後です。留学先での勉強や研究に関して紹介させていただきます。

これまでの記事
第一回: ダブルディグリーとは?
第二回: イタリア生活悲喜こもごも

ダブルディグリープログラムは修士論文の提出が必要であるため、はじめの一年で授業をできる限り履修し終えて、残りの半年で研究をするというのが王道のスケジュールのようです。

1. 授業
いくつかの「トラック」という分野があり、それぞれで必要な授業を履修します。私はFinanceのトラックに所属しました。他にもIndustrial ManagementやSupply Chain Management、International Businessなどのトラックがあります。トラック毎の授業のほかに必修もあります。私が履修した授業をいくつか挙げると、
  • Accounting, Finance and Control: 会計や資金調達方法について
  • Strategy and Marketing: 企業戦略やマーケティング戦略
  • Logistics Management: 物流や工場内のシステム
  • Business and Industrial Economics: ミクロ経済学
  • Financial Econometrics: 金融に応用するための計量経済学
があります。管理工学科は経営課題に数学的にアプローチしますが、留学先ではケーススタディなど実務の側面から勉強しました。そのため慣れるまで非常に苦労しました。授業中は質問や発言が飛び交い、貪欲に勉強する学生を見て私もまだまだ頑張ろうと勇気づけられました。

一回の授業が大体3~4時間で、各授業週に2~3回あるため進むペースはとてもとても速いです。授業に出席して話す内容を必死で聞き取るだけではなく予習や復習も必須で、慶應の時の数倍多く勉強する毎日でした。大変でしたが自らの研究に参考になることも多く、とても良い経験になりました。

2. 研究
私は統計モデルが専門の教授に指導していただきました。「研究室」というものは存在せず、「ゼミ」の形式で教授の部屋で時々進捗報告をしました。発表は年に何度かチャンスがあり、そのいずれかで合格すれば修士号がもらえます。私は日本に帰国してからSkypeを通して発表しました。留学生にはこのような発表方法も認めてもらえます。

読んでいただきありがとうございました。
留学は大変ですが得たものはとても多く、留学前には予想できないほど成長できました。
私の体験談が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

それでは。

2018年11月26日月曜日

Keio-Aachen サマースクール(3)

こんにちは。

奥村です。

前回の記事では、現地での生活について、食事事情と日本との違いについて書きました。
今回は、プログラムの期間中、具体的にどのように過ごしていたのか少し詳しくご紹介したいと思います。


朝起きてゲストハウスで朝食を摂ります。
食べ終わって支度をしたらドイツ語の授業の教室まで歩いて行きます。歩いて15分くらいの場所にあります。
教室のある建物は国際棟?のようなもので、おそらく留学生の語学のための建物だったと思います。留学生だらけでした。
ドイツ語の授業を90分×2コマ受けます。


昼ご飯を学食で食べます。ドイツ語の教室から学食の建物まで歩いて5分ほどです。
昼ご飯を食べたら午後のエンジニアリングの教室まで向かいます。街中から少し離れたところにあるのでバスに乗って移動します。
機械工学、物理学、生物学、化学の講義を英語で受けます。
エンジニアリングの講義が終わったら、バスに乗って街まで戻ります。


街で夕ご飯を食べます。ビールが安いです(重要)。
BBQなどのイベントがあったり、ドイツ人学生の家で一緒に料理を作った日もありました。
シャワーを浴びたり、コインランドリーへ洗濯をしに行ったりもします。


寝ます。
ゲストハウスは掃除してくれる人がいるので快適に寝ることができます。
水みたいな値段の瓶ビールを友達と飲むのもまた楽しいでしょう。
まあ僕はいつも早めに寝て次の日に備えていました。


これまでの記事で3回にわたってKeio-Aachen サマースクールについてご紹介してきました。
もし機会があればぜひ参加してみてください。

それではまた次の記事で。

奥村

2018年11月15日木曜日

Keio-Aachen サマースクール(2)

こんにちは。

奥村です。

以前の記事では、Keio-Aachenサマースクールについておおまかにご紹介いたしました。
今回の記事では、現地での生活について少し詳しく書こうと思います。


Table of Contents
2.1 食事事情
2.2 日本との違い


2.1食事事情
まずは食事事情について!

朝食は寝泊まりするゲストハウスの食堂で食べます。
メニューは、パン、ゆで卵、ハム、チーズで、
オプションでシリアルとヨーグルトが食べられます。
毎日一緒のメニューなので飽きないこともないですね・・・
タダ(多分宿泊費に入っています)です。

昼食は平日のみ学生食堂で食べられます。
ビュッフェ形式で、食べたい料理をレジに持って行って会計します。
「5ユーロ分の券」を日数分貰えるので、それと引き換えで購入する感じです。
(つまり、5ユーロ分までなら無料で食べられます。ただし、3ユーロ分しか買わなかったとしてもおつりはもらえません。)

しかし、この券、正確には”大体”5ユーロ分です。
というのも、券自体には「5ユーロ分」と書いてあるのですが、
”少し”超えていても(例えば5.2ユーロ)、その券だけで購入できるらしいのです。
”少し”・・・?
ぼくたち「その”少し”以上に超えたらどうなるの?」
ドイツ人「レジのおばちゃんに「超過分払え」って言われるよ」
ぼ「じゃあその”少し”って具体的にどれくらい?」
ド「わかんない」
分からないとなると調べてみたくなりますよね。
チキンレースが始まりました。
7ユーロくらいになったこともありましたが、何か言われることは一度もありませんでした。
さすがに8ユーロとかはダメなのかな?誰か試してみましょう。

メニュー自体はあまり日本と変わらないと思います。
日本のビュッフェでも日本料理だらけではないように、料理だらけということはありません。ハンバーガーやピザ、パスタなどいろいろあります。
ただ、ジャガイモは多かったような気はします。
ハンバーガーのコーナーでは「Pommesセット」なるものがあります。
Pommesって何?って人はこちら→(google画像検索)
学食のみならずいろんなところで見かけるので、重要単語の一つですね。

あ、そうそう。エナジードリンクも学食で売ってます。

(画像は https://en.wikipedia.org/wiki/Relentless_(drink) より)
味は普通にエナジードリンクです。今調べたところM○nsterの会社が作ってるやつみたいですね。味も似ているわけです。


休日はどこかに旅行に行ってたりすると思うので、その旅行先で食べたりすることが多くなるんじゃないでしょうか。

夕食
本当に自由です。何を食べてもいいし食べなくてもいいです。
僕は近所の商店街的なところのレストランで食べたのが多かったと思います。
印象に残っているお店をいくつか紹介します。

[1] Vielharmonie

ドイツ人学生に何回か連れて行ってもらったお店です。
シュニッツェル(子牛のカツレツ)もありました!
お酒ももちろん置いてあって、ビールをはじめカクテルなどいろいろあります。
ビールは安いです。ビール200 mlが大体1ユーロです。ファンタは1.2ユーロ。なんででしょうね。
カクテルもビールほどではないですが安いです。そして強いです。さすがですね。
度数の高いやつが大きいグラスで出てきます。僕はそれで気持ち悪くなりました。確かZombieっていうカクテルだったかな・・・

[2] AKL

よくケバブをテイクアウトしました。
テイクアウト以外で食べたことがなかったんですが、普通のレバノン料理屋さんみたいですね。
Vegan向けのケバブもあります。

[3] Oishii

寿司屋っぽいです。
入ったことはないんですけど、日本語が書いてあるので通るたびに気になってました。
どんな感じの寿司が出てくるのかはわかりません。

スーパーで食材を買ってゲストハウスで食べてもいいかもしれませんね。
瓶ビールもかなりの種類が置いてあります。
栓抜きはゲストハウスに置いてあるんで持ってこなくても大丈夫です。
ちなみにだとビールのような弱い酒は16歳から(!)
強い酒は18歳から飲めるらしいです。高校卒業したての学部一年生でも飲めますね。

レストランで食事をしたり、スーパーで買い物をしたりするのは大いに国際交流にもなります。
ただ食べ物を摂取するだけでなく、この料理はどういう料理なのか、レストラン/スーパーはどういうシステムなのか、日本とは違う様々なことを見聞きするいい機会です。



2.2日本との違い
での生活の際に、日本と大きく違うなぁ、と思った事を書き連ねてみます。
ただ、これは僕が行った場所についてなので、全土でそうなのかは分かりません。

[1]スーパー
スーパーではもちろんいろいろな種類の商品が置いてあります。
なので値段を比較する時に内容量が違ってどちらの方がお得なのか分かりづらいことが多いと思います。
のスーパーですと、値札にはその商品の値段だけでなく、中に入っているものの1個(1リットル、1グラム)あたりの値段も表示されています。
「このジュース安い!」と思っても内容量が少なくて騙された気分になることもありません。
合理的だなぁと思いました。
また、レジの並ぶ列にはベルトコンベアが設置されていて、そこに商品を置きます。
会計が一人終わるごとにレジのおばちゃんがベルトコンベアを動かします。
自分の番になったらおばちゃんに会計してもらいます。
日本みたいに立ってレジ打ちしないとうんぬんみたいなのは無いみたいで座っていました。
合理的だなぁと思いました。
さらに、お釣りがピッタリの額になるように「20セント持ってない?」みたいに聞いてもくれます。

[2]街がきたない
落書きとゴミが日本の比ではないほど多いです。
街の壁も落書きだらけですし、何より驚いたのが、電車にまで落書きがされていることです。
ほぼすべての車両が落書きで”ラッピング”されていました。
鉄道会社も諦めているのか車両番号のような重要な情報がある部分だけは消してましたが、他は放置しているみたいです。
ゴミも多いです。
殆どの街灯の根本にゴミ箱が設置されているのにです。
大学のキャンパス内でもビール瓶の破片や王冠など散らかり放題です。
多分誰も掃除しないし誰も気にしていないのでしょう。
僕もすぐに慣れましたけど、カルチャーショックですね。

[3]Pfand
そんなですが(だからこそ?)、街をキレイにしようとする試みもあります。
その一つが"Pfand"と呼ばれるシステムです。
簡単に言えば、飲み物の値段に容器分として20円程度のデポジットが加算されていて、空き容器を回収するとお金が返ってくるシステムです。
日本でも瓶に関しては同じようなシステムがあると思いますが、では瓶のみならずペットボトルや缶などほぼ全てに適用されています。
飲み終わった後の空容器はスーパーに置いてある機械に投入すると、回収されたデポジット分の金券(そのスーパーで使える)がもらえます。
このシステムを知らない観光客なんかはそこらへんに捨てていきますが、お小遣い稼ぎのためにそれを拾っていく人もいます。
したがって空き容器のポイ捨ては非常に少ないです。
捨てずに回収した方が得だからです。
いちいちスーパーまで換金しに行かないといけないのは面倒くさそうに聞こえるかもしれませんが、捨てずにとっておいたペットボトルや空き缶を集めてスーパーに持っていき、それが金券として出てくるのはなかなか楽いものでもあります。
日本も導入した方がいいのになぁとは思いました。


プログラムに参加することで、日本とドイツの文化の違いを肌で感じられ、実に興味深い経験となりました。

以上に挙げたような体験を通じて、圧倒的に成長できたと感じています。
皆さんも来年以降はぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。

それでは次の記事でお会いしましょう。

奥村

2018年11月14日水曜日

どの学科に進むか

こんにちは。水曜日担当の萩原です。
もうすぐ三田祭ですね。僕も学部時代には所属していたサークルで参加し4日間ずっと歌っていました。夏休み明けから徐々に練習が始まり、個人的には一年を通して一番楽しい時間でした。
三田祭の規模は全大学でもトップクラスで、多くの人で賑わいます。とても楽しめるのでぜひ行ってみてはいかがでしょうか。


今回は1年生向けの記事です。
皆さんが現在所属しているのは「学門」ですが、2年生になるといよいよ「学科」に分かれます。そして来月の頭には学科分け説明会があると思います。
各学門から行ける学科は決まっており、説明会では先生や院生がその学科で学ぶ内容や魅力についてプレゼンをします。全体説明の後には各学科のブースをまわり、詳しい説明を聞いたり研究デモを見ることができます。

おそらく入試の時に学門を選ぶ時点で、進みたい分野はある程度考えていたと思います。1年生では全ての学科をカバーするほどの広い範囲を必修で学んでいると思いますが、「もっと知りたい」と思えるような科目、そして「そのためにここに進みたい」と思えるような学科はありますか?
僕は当時電子工学科と情報工学科のどちらに進むか迷い、説明会の話を聞いて電子工学科に決めました。先生や院生の方々から直接聞ける情報は、進路を決める上でとても役立つと思います。気になることは積極的に質問して、後悔のないように選んでください。

ただ、どの学科に進んでも間違いではありません。学科分けは希望通りにいかないこともありますが、だからといってつまらない学科なんてありません。2年生から専門的な内容に入りますが、面白いと思えるものはどの学科にもきっとあるはずです。


どんなことを学べるか、どんなことを学びたいか、ぜひ考えてみてください。


萩原