2022年11月9日水曜日
研究室選びについて②(2つの研究室に所属した経験あり)瀧田
2022年11月8日火曜日
表面化学とは何だろう? 村野(2022年度秋, 金曜担当)
こんにちは
2022年度秋学期 金曜担当 の 化学科 修士1年 村野 です
担当時間は 14:00 ~ 15:30 です
・学部の化学系科目で分からないことがある
・化学系科目の宿題のヒントがほしい
・実験レポートの書き方で悩んでいる
という方は,ぜひ質問・相談に来てみてください
もちろん,授業以外の学生生活に関することでも大丈夫です
今日は,わたしの所属する近藤寛研究室(化学科)のテーマである「表面化学」について紹介します
表面化学の定義
多くの人にとって「表面化学」という分野はあまり馴染みがないと思います
「表面化学」は文字通り「表面」の「化学反応」を研究する学問です
より厳密に言うと,
「表面」:固体(あるいは 液体)と気体の接する面
「化学反応」:分子どうしの相互作用によって新たな分子が生成する現象
と考えれば,
「表面化学」:固体(あるいは 液体)と気体の接する面において,気体分子どうしの相互作用によって新たな分子が生成する現象を研究する学問
と説明することができます
身の回りの表面化学
そんな風に言われると,何だか難しいようですが,
実は,表面の化学反応 は,わたしたちの身の回りに ごくふつうに 存在します
例えば,
秋になると,キンモクセイの香りが街に漂います
キンモクセイの香りの正体は,大きな有機分子(香り分子)です
わたしたちが甘い香りを感じるのは,キンモクセイの花から放たれた 香り分子 が,鼻の内側の表面に付着し,化学反応を起こすからです
また,
歩道を歩いていると,車道との間にあるガードレールがところどころ錆びています
ガードレールは鉄鋼でできていて,ふつう ペンキで保護されています
しかし,年月を経て,ペンキが剥がれると,むき出しになった鉄鋼の表面に,水分子が付着して,鉄鋼を酸化鉄に変えていってしまうのです
表面化学の恩恵
表面の化学反応 が意外と身近な存在であることはわかりました
しかし,なぜ 表面の化学反応 が重要なのでしょうか
それを理解することで,わたしたちの生活にどんな御利益があるのでしょうか
実は,表面は 産業上の様々な場面で 重要な役割を担っています
例えば,自動車のマフラーには 排気ガス中の有害な物質(一酸化炭素や一酸化窒素など)を除去するための,三元触媒が使われています
三元触媒は パラジウム(Pd)やロジウム(Rh)などの貴金属を主成分とし,その表面で有害物質 が 酸化還元 されることで,人体に無害な成分として排出されます
また,化石燃料に代わる新たなエネルギー源として期待される水素エネルギーですが,水素ガスは臭気がなく,漏れ出すと爆発のおそれがあるため,水素ガスを検出して危険を知らせてくれるセンサが必要です
白金(Pt)は 表面に水素が付着すると,付着量に応じて電気抵抗が変化するため,高感度の水素検出センサとして使用することができます
このように,表面化学を理解し,制御することが,わたしたちの生活には欠かせないのです
表面化学研究室(近藤寛研究室)
最後に,わたしの所属する 表面化学研究室 について紹介します
表面化学研究室では,産業的に重要な触媒やセンサーの動作メカニズム解明を目指しています
用いる手法は主に,分光法です
すなわち,化学反応を起こす物質の「表面」に 光(電磁波)を照射し,反射した光や放出される電子を分析します
これにより,表面を構成する元素の種類や量,状態を知ることができます
とはいえ,実際に産業で用いられる触媒やセンサーの「表面」は複雑な構造をしていて,これに光を照射しても,解釈できるデータにならないことがほとんどです
そこで,この複雑な表面を,いくつかの単純な構造表面に分離して,それぞれについて分析を行います
それら別々の表面から得られた情報を,いかに統合して,全体像を導き出すかというところが,研究の肝になります
少しでも興味が湧いたら,ぜひ 研究室のホームページ にアクセスしてみてください!
http://www.chem.keio.ac.jp/kondoh/index/jp/
以上です
最後まで読んでくださり,ありがとうございます
村野
2022年11月7日月曜日
2022年度 秋学期金曜担当 南 自己紹介
こんにちは。
2022年度秋学期ラーニングサポート金曜日担当の南です。
今回は私の自己紹介をさせていただきます!
プロフィール
- 学年:修士1年
- 学科:物理情報工学科
- 研究室:堀豊研究室
- 研究内容:強化学習を用いた制御機設計法の改良
- 趣味:手芸、散歩
2022年11月3日木曜日
2022年度秋学期 木曜担当 自己紹介 杉原
はじめまして!今年度秋学期木曜日の前半(12:30~14:00)を担当します応用化学科修士2年の杉原です。
化学B、C、Dや無機化学、マテリアル科学に関する相談を中心に受け付けています。また、学部3年時に交換留学でアメリカのUC Berkeleyに留学していたため、留学に関する相談も受け付けています。
今回は私の自己紹介をさせて頂きます。
プロフィール
・学科:応用化学科
・研究室:藤原忍研究室
・研究内容:色素増感太陽電池の電極開発
・サークル:陸上競技同好会
研究について
私の研究テーマである色素増感太陽電池について簡単に紹介させて頂きます。
太陽電池には既存のもの・新規のものを含めて様々な種類があり、それぞれに実用上の長所と短所があります。例えば、建物の屋根等に設置されているシリコン太陽電池には発電効率が高いという長所がある一方、原材料・製造コストが高いという短所があります。シリコンは太陽電池以外にも様々な半導体製品に使用されるため、シリコン以外の材料を使った太陽電池の研究開発が進められています。
私が研究している色素増感太陽電池(Dye-sensitized solar cells: DSSCs)は、安価なコストと簡便な製造プロセス、毒性元素を使用しない安全性や曲げ伸ばし可能な加工性などを特徴とした環境に優しい太陽電池です。これらの特徴を生かし、パソコンのマウス(株式会社リコー)やヘッドホン(Exeger社)の電源として実用化されています。さらなる実用化への課題として発電効率や耐久性の向上が求められ、私はこれらの性能改善を目標に研究をおこなっています。
DSSCsの主な構成要素は、酸化物半導体、色素、電解液、対極です。高効率な色素の開発やより安全な電解液の開発というように、有機化学や電気化学など様々な専門分野から研究されています。僕の所属する無機構造科学研究室(藤原研究室)では、20年以上にわたって無機化学・固体化学の観点から酸化物半導体(酸化亜鉛など)電極を研究しています。私の研究では、発電効率を向上させるためにはどのような構造の酸化物電極が良いか、その構造を作製するためにはどのような方法・条件でおこなうと良いかを考え実験をしています。試料を作製した後は、電子顕微鏡などを使って解析し、太陽電池を組み立てて発電効率を測定することで、DSSCsの性能改善に取り組んでいます。
サークルについて
研究の少し硬い話が続きましたので、次に私が所属していたサークルについて紹介させて頂きます。
学部生の時に陸上競技同好会(陸同、りくどう)に所属していました。陸同では、記録更新を目標に陸上競技にがっつり取り組む人や、健康のためにジョギングする人など、様々な目的を持った人が日吉陸上競技場やその周辺で活動をしています。例えば、ジョギングパートではよく武蔵小杉までジョギングしているため、日吉周辺でジョギングしている集団を見かけたら、それは陸同のメンバーかもしれません。ちなみに私は長距離パートに所属し、1500m、5000mに取り組んでいました。
最後に陸同で個人的に一番好きなイベントである「マラソン合宿」について紹介させて頂きます。陸同ではマラソン合宿と題して、毎年11月に行われる富士山マラソンに参加しています。富士山マラソンと聞くと大変そうと思うかもしれませんが、実際に富士山を走るのではなく、富士山を見ながら河口湖湖畔を走ります。コースは42.195kmのフルマラソンですが、長距離パートやジョギングパートの人が練習の成果を発揮するのみでなく、普段は100mを専門としている人も参加し、みんなで自己ベスト更新や完走を目指すのが醍醐味です。完走後に振る舞われる豚汁は格別においしいです。マラソン合宿にはOB、OGの方々が参加され、働きながら日々ランニングをして毎年マラソンを完走している姿に刺激を受けました。私も社会人になってからまた参加したいなと思っています。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
杉原
2022年11月1日火曜日
はじめての国際学会 木村
*はじめに*
*国際学会概要*
*学会参加までの流れ*
3月 論文投稿
5月 採択通知
7月 早期登録
8月 学会準備
- 航空券予約
- ホテル予約
- コロナ保険加入
- ESTA申請
8,9月 発表準備
9月 出発
初日
初日は移動日です。家から成田空港まで向かい、11時間かけてロサンゼルス空港へ。後日学会費用を申請するために領収書をもらうのを忘れてはいけません。航空券の半券も必須。
9月6日の14時に出発して6日の9時に着くというなんとも不思議な体験をしました。その日は学会会場へ向かい、ホテルへチェックイン。夕飯は学会が用意してくれたチケットを使って、食堂のような場所で食べました。
二日目
いよいよ学会開始。朝の8時から始まります。最初に1時間著名な方のプレゼンを聞き、その後各セッションに移動します。流暢にこなされる発表・質疑応答を聞き、ますます緊張しました。夜は翌日の発表に向けて最終練習をしました。
三日目
朝一で私の発表だったため緊張で全然寝れませんでした。
しかしいざ発表が始まると全く緊張せず、いつもの自分らしい発表ができた気がします。質問者は全部で3名、すべて聴講者から頂けたので個人的には嬉しかったです。発表によっては質問がなく座長が一つだけ質問して終わるようなものもあったので。
質問内容はすべて質問対策に含まれているものでした。なので比較的すらすらと答えられたと思います。改めて事前準備の大切さを実感しました。
発表の際にはタイムキーパーのような人はおらず、大体の時間で区切られていました。なので日本の学会ほど時間にシビアになる必要はないかと思います。
四日目
学会最終日、既に発表を終えていたため気軽な気持ちで臨むことができました。