2016年10月11日火曜日

スイスETH工科大学での長期滞在~連載第2回 スイスの交通機関と水事情

こんにちは。

数理科学科修士2年の小池です。

前回は、(1)スイスの食生活と物価水準についてお話しました。
今回は、(2)スイスの交通機関と水事情についてお話ししようと思います。

(2)スイスの交通機関と水事情・・・今回の記事
(3)滞在許可証(Residence Permit)の取得について
(4)海外での研究について


[1] 交通機関について

ヨーロッパの交通機関は、国によって様々です。
例えばイギリスでは地下鉄が走っており、鉄道が中心の日本と非常によく似たシステムがとられています。
一方で、スイスチューリッヒでは主な交通機関は電車ではなくトラム(路面電車)であり、そのシステムは日本人には非常に馴染みのないものとなっています。

トラムの馴染みのない点のひとつは、乗り降りの際に改札がどこにもないということです。
乗車の際には、当然切符を買わなくてはいけません。
しかしながら、改札はどこにもないため、切符を持たないまま電車やバスに乗ることが実質可能となります。
その代わり、車内では検札係(inspector)がやってきて、乗客がチケットを持っているかどうかを確認します。
検札係がやってくる頻度は、明らかに少ないです。
私が初めて検札係に遭遇したのは、スイスに来てから1か月を過ぎたころであり、その間ほぼ毎日トラムに乗って通学していましたので、確率にして体感的には100回に1回程度だと思います。
乗車券を持たない乗客は、その理由に関わらず高額な罰金が課せられるそうです。
これは、交通システムに不慣れな観光客にも適用されるそうで、違反乗車を行った乗客の個人情報はデータとして登録され、2回目、3回目の違反者に対しては更に割増の罰金が課せられます。
中には、私服検査官による不意打ち的な検札もあります。
せっかくの留学生活で、奨学金を高額な罰金に払いたくなければ、必ずチケットを購入するようにしましょう。

トラムのもう一つ、日本人には馴染みのないところは、ゾーン制であるというところです。
チューリッヒは、中央駅を中心に多数のゾーンに分かれており、乗車駅から下車駅の間の長さに関係なく、各駅が属するゾーンが同一であればゾーン一つ分の料金を、二つの駅が異なるゾーンに属していればゾーン二つ分の料金を支払わなければなりません。
更に注意することには、中央駅の属するゾーン110はゾーン2つ分の料金となっています。
なお、チケットは購入後一時間有効であり、1時間以内であれば何回トラムに乗車してもよいことになっています。
逆に言えば、チケット購入後一時間が経過した場合は、一度も乗車していなくても無効となります。

なお、観光の場合はスイスパスと呼ばれる外国人観光客用のチケットや指定ゾーン24時間乗り放題券などを購入することができるため、それらを利用するのが最も安心となります。

スイスで交通機関を利用する際は、そのシステムについてしっかりと前もって勉強していくのがよいと思います。



[2] 水事情について

次に、スイスの水事情についてお話ししたいと思います。
スイスに限らず、ヨーロッパは、主として地層が石灰岩のところが多く、そこから浸透して湧き出る水は石灰を含んだ硬水となります。
そのため、日本から持ってきた石鹸などはあまり泡立たず、鍋などはすぐ石灰カスまみれになります。
さらに、シャンプーをすると髪がゴワゴワになり、また、日本より湿度がかなり低く乾燥しがちなヨーロッパでは、毎日お風呂に入ると、皮脂を取りすぎることとなり、体全体が痒くなります。
そのため、現地の人たちは毎日はお風呂に入らず、2,3日に一度シャワーを浴びるだけの人がほとんどです。
自分も始めは毎日お風呂に入らないのは抵抗がありましたが、毎日お風呂に入っていると肌が極度に乾燥し、体中の痒み、炎症に苦しみました。

シャンプーやボディソープも、現地のものを利用するのが一番良いように思います。

水事情に関しては、日本の常識をいち早く捨てて、環境に応じて入浴の習慣を改めるのが良いかと思います。

なお、硬水で料理するお米はごわごわで非常に不味いですが、コーヒーやパスタはおいしいです。

次回は、「滞在許可証(Residence Permit)の取得について」というテーマでお話します。




0 件のコメント:

コメントを投稿