2016年6月9日木曜日
スイスETH工科大学での長期滞在(連載)
こんにちは。
数理科学科修士2年の小池です。
今年から学生スタッフを務めさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いします。
私は、2015年9月から2016年2月の間、スイスのチューリッヒ工科大学(ETHZ)に長期滞在させて頂いておりました。
(右はETHから眺めるチューリッヒの街並みです)
ETHZは、The Times Higher Education(イギリスの高等教育情報誌)の世界大学ランキング2016年で9位に位置する、非常に評価の高い大学です。
自然科学や工学を対象とした工科大学であり、レントゲンやアインシュタインなどの著名な卒業生を多数輩出しています。
スイスは、観光国としても非常に魅力的で、一度街を離れれば、アルプスの少女ハイジで皆さんが連想するのどかな田舎の風景が広がっています。
また、スイス国土の7割は山であり、マッターホルンやユングフラウ、モンブランなど名峰と呼ばれる山々が連なっています。
(下は私がスイスに滞在していた時に撮った牧場の風景と、グリンデルヴァルトに観光に行った時に撮った山の写真です)
理工学部の皆さんの中には、ETHZへの滞在や留学を志す方もいらっしゃるかと思います。
その際に注意しておくべきこととして、以下の点について連載でお話していきます。
(1)スイスの食生活と物価水準・・・今回の記事
(2)スイスの交通機関と水事情
(3)滞在許可証(Residence Permit)の取得について
(4)海外での研究について
なお、私は正規の留学ではなく、訪問学生としての滞在でしたので、履修等のプロセスには関わりませんでした。
(1)スイスの食生活と物価水準
スイスは世界一物価の高い国として知られています。
世界の物価の高さを計る指標に、ビッグマック指数と呼ばれるものがあります。
これは、世界各国でのマクドナルドのビッグマックの価格をもとに物価水準の比較を行う指標で、世界のイギリスの経済専門誌「エコノミスト」にて毎年報告されています。
スイスはこのビッグマック指数で、毎年1位を獲得しています。
スイスでは、ビッグマックの価格はおよそ700-800円で、日本の二倍以上となります。
私がスイスにいた頃も、身の回りのものの価格はおおよそ日本の二倍程度でした。
特に、食費はスイスで生活していく上で非常に大きな問題となります。
スイスでは、外食に高いコストがかかります。
スイスでマクドナルドに行った際は、毎回1500円ほど払っていましたし、学食も1000円は覚悟しなければいけません。
これは、スイスの人件費の高さが影響しています。
スイスでは、マクドナルドの時給が2000円を超えるそうです。
従って、スイスに滞在する場合は、基本的に自炊を行うのがベストとなります。
幸い、スーパーではパスタや肉、野菜などが比較的低価格で購入できるため、自炊することで大幅に食費を抑えることが出来ます。
食事に関してもうひとつ注意すべきことは、ヨーロッパは基本的に土日が休みの店が多いということです。
日曜日などは特に、ほとんどのスーパーは閉まっており、中央駅などの大きな駅に行かなければ買い物もできません。
当然レストランなども閉店しているため、何も準備していなければ週末も営業しているマクドナルドに行かざるを得なくなります。
これでは、せっかく奨学金を頂いていてもすぐに底をついてしまいます。
スイスには24時間営業しているコンビニもなく、ほとんどの店は夕方には閉まります。
従って、スイスでは、不規則で怠惰な生活は家計をどんどん圧迫していきます。
自分にとって、スイスでの長期滞在は、そのような生活を改め、自炊する能力を身に付けることのできる素晴らしい機会でした。
次回は「(2)スイスの交通機関と水事情」についてお話しします。
小池
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