2024年5月2日木曜日

水の制御によって拓かれる可能性(木曜担当 近藤)

初めまして!

春学期木曜12:30-14:00を担当するラーニングサポートの近藤と申します。
昨年の秋学期から引き続き、今学期もラーニングサポートを務めさせて頂きます。

  • 化学系の授業で困っている
  • 学校生活について相談したい
という方は、是非お気軽にお声掛けください!

【毎週木曜12:30-14:00 理工学メディアセンター本館1階レファレンスデスク】

にてお待ちしております。

今回は新年度1本目の記事ということで、改めて自己紹介をさせてください。

~プロフィール~

学科:化学科
学年:修士2年
研究室:理論化学研究室(畑中研)
研究内容:界面水の分子間振動の分子動力学シミュレーション解析
趣味:囲碁、筋トレ
得意分野:化学A~D、量子化学、物理化学、化学実験、Fortran

~研究~

突然ですが、水って重要な物質ですよね?

多くの方がこの質問に「YES」と答えてくれると思います。何せ、水がなければ人間は生きられませんから。ただ、水は「生きるために重要」であると同時に「化学的にも重要」な物質です。なぜなら、多くの化学反応は水中で起こっているからです

人体の大部分が水分で構成されていることを考えると、体内での化学反応は水中での反応と言えます。実験の授業で何度となく水溶液を調製したと思いますが、実験で扱った反応の多くも水中における反応です。これ以外にも、数えきれないほど多くの水中における反応が存在します。

では、これらの反応において水はどのような役割を果たしているのでしょうか?
溶質を取り囲む溶媒として何となく周りにいるだけ?

いいえ、違います。
水は溶質の反応性を変化させる役割を担っています。つまり、水分子が水中での反応を引き起こしています。

より具体的には、溶質の周りに水分子が「どの向きで」「どのくらいの距離に」存在するかによって溶質の反応性は変化します。

図1. 分子A(青丸)を水分子(V字型の分子)が取り囲んでいる様子。左と右の配置ではAの反応性が変わってくる。



じゃあ、水分子の運動を制御できたら、意図的に化学反応を起こしやすくできるのでは?

...と思った方は素晴らしいセンスをお持ちです。是非畑中研に来てください。
冗談はさておき、水分子の運動を制御できたら、水中でのあらゆる化学反応を加速(もしくは減速)させられるようになり、素晴らしい可能性が拓けるわけですが、話は簡単ではありません。

というのも、水分子の運動については分かっていないことが多いのです。偉大な先人たちのおかげで、水分子の運動に水素結合(水分子間での引き合う力)が関わっていることは分かっていますが、その関係性については簡単なことしか分かっていません。

例えば、空気と水の境界面にいる水分子は、空気側に水分子がいない分、水素結合本数が減るわけですが、それによって運動がどう変化するかは十分に分かっていません。

図2. 水分子の配置。左が一般的な水分子の配置。右が境界付近の水分子の配置。青い点線は水素結合を表す。一般的な水分子は周囲を四個の水分子に囲まれているが(水素結合本数4本)、境界付近の水分子は空気側に他の水分子がいない(水素結合本数2本)。



こうした背景があり、私は界面(例えば、空気と水の境界面)の水分子の運動について、シミュレーションを使って調べています。様々な環境での水分子の運動を調べることで、水分子の運動制御の方法を模索し、将来的には水中での化学反応を制御できるようにしたいです。

~趣味~

  • 囲碁
  • 筋トレ
  • アニメ鑑賞

囲碁に関しては、中学のときに囲碁部だったので一応アマチュア二段を持っていたりします。ただ、中学卒業後めっきり打たなくなってしまったので、現在の実力は初心者に毛が生えた程度のレベルまで落ちています。

筋トレは昨年から変わらず続けています。今も近所のスポーツセンターのトレーニングルーム(3時間300円)に通っています。

アニメに関してはミーハーなので、特定のジャンルが好きというよりは、人気作品をとりあえず観る感じです。アニメそのものを楽しむのは勿論ですが、人気になりそうなアニメを当てるのも楽しんでいます。今期は「怪獣8号」か「ガールズバンドクライ」が覇権を握るのではと睨んでいます。ちなみに、覇権アニメ予測は割と外します。

~終わりに~

楽しんで頂けたでしょうか。少しでも私のことが伝わっていたら嬉しいです。
大学の勉強は専門性が高く、頭を悩ませている方も多いと思います。よろしければ、一人で悩まず、メディアセンター本館1階のラーニングサポートデスクまでお越しください。一緒に考えましょう!勿論、勉強だけでなく学生生活に関する相談も歓迎です!!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。


近藤