2023年11月7日火曜日

卒論と戦う理系大学生へ LaTeXのすゝめ(水曜担当 武田)

 ご覧いただきありがとうございます!

水曜12:30~14:00にデスク(メディアセンター本館の自動ドアを過ぎた先すぐ)におります、武田です。

この記事では、卒業論文をこれから書く大学生に向けて、LaTeXの便利な機能や使い方について説明します。なんとなく便利そうだなと思ってもらえれば嬉しいです。

何かありましたら、遠慮なくお聞きください。お待ちしております!


◎LaTeXってなんだ?


簡単に言えば、Wordのように文書を作成できるもの、です!
個人的には、数式に強い文書組版ソフト、と認識しています。
LaTeXに関する記事は、ラーニングサポートブログでも度々書かれており、気になる方は以下の記事も読んでみると面白いと思います。
LaTeXのすゝめ(2018年12月14日)
https://riko-learningsupport.blogspot.com/2018/12/latex.html
LaTeXエディタのすすめ(2022年12月9日)
https://riko-learningsupport.blogspot.com/2022/12/latex.html

実際にLaTeXを使って書いた数式が以下になります。





このような数式は、WordやPowerPointなどでも「数式の挿入」という機能を使うことで再現できます。しかし、使いたい数式を探すのが大変であったり、そもそも見つからなかったりします。また、卒論などで大量の数式や図、表を挿入すると、動作が重くなることもあるかと思います…
ところがLaTeXでは、簡単に数式が入力でき、文書を書いている間に動作が重くなることもほとんどありません。(コンパイルに時間がかかることはありますが!)
少し練習が必要ですが、慣れてしまえば大変便利なソフトです。

※「コンパイル」とはここでは、私たちが書いた命令をもとに、実際の文書を組み上げる行為のことです。


◎便利な機能


では、LaTeXではどんなことが出来るのか、そのイメージを紹介します。
具体的に実行する方法は、最後に載せてある文献を参考にしてください。また、ネットを調べても色々なサイトが出てくると思います!

  • 自動的に、論文のタイトルや著者名、目次、本論などの構成を組み、作成してくれる
    • これがLaTeXの1番の特徴です。LaTeXでは、自分で文字のフォントやサイズを指定する必要がありません(もちろん、自分で指定することも可能です)。私たちは、タイトルには○○を書く、第1章の第1節には△△を書く、まとめには■■を書く、などと命令するだけでよいのです。その命令をもとに、章の題名や本文など、それぞれに適したフォントやサイズで自動的に文書を作成してくれます。

  • 式や表、図の番号を自動で振ってくれる
    • 理系の皆さんは数式や表、図に番号を振ることは必須だと思います。LaTeXでは、私たちが直接書かなくても、登場する順番で番号を振ってくれます。途中に書き足した場合も、自動で振りなおしてくれるため、大変便利です。もちろん、本文中で引用する際の番号もその都度、更新してくれます。
  • 分割してコンパイル、まとめてコンパイルをすることができる
    • 個人的には1番役に立った機能です。卒論など大量のページにわたる文書を、毎回全てコンパイルしていては時間がかかります。例えば、章ごとに分けて文書を作成し、最後にまとめてコンパイルする、といったことが可能です。
  • 参考文献を引用の順番で書いてくれる
    • 本文に登場する順番で、最後の参考文献を自動的に並び替えることができます。卒業論文レベルでは、あまり気にしない人もいるかもしれませんが、揃っていると綺麗な論文という印象を受けます。
    • 他にも、bibtexというデータベースも利用できます。これは、本文で引用した場合に、参考文献に入れてくれるという機能です。引用したもののみを、自動で参考文献リストに入れてくれる便利なものです。


調べてみると、さらに多くの機能があると分かります。
私の経験則ですが、私や皆さんが考えることは既に先人も考えています。こんな機能があったら便利だな、、、と思ったら色々調べてみましょう!
きっと、既に誰かが用意してくれています!

◎参考文献


LATEX2ε 美文書作成入門 / 奥村晴彦, 黒木裕介著

                
最近?(2020年)に改訂版が出版されており、長く愛されている本と分かります。
私はこの本と共に、LaTeXの導入から様々な機能の拡張、卒業論文の執筆まで行いました。
理工学メディアセンターにも蔵書がありますので、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
皆さんの研究生活や卒論執筆を応援しております。


武田