2023年11月30日木曜日

大学院進学について ~外部進学と内部進学どっちがいいの?~(水曜担当 小野塚)

こんにちは!水曜担当の小野塚です。

学部3年生の皆さんはそろそろ研究室配属を意識し始める時期ではないでしょうか。

それと同時に、就職か大学院進学かを選択する時期でもあると思います。

一口に大学院進学と言っても、慶應に内部進学する場合と、他大学の大学院に外部進学する場合の2つに分かれます。


僕が学部1年生の頃、入学ガイダンスで某教授が

「皆さん大学院では東大東工大に行ってやろうと思っているかもしれませんが、最終的に大多数は慶應に進学することになります。」と仰っていました。

僕自身「東大東工大に行ってやろうと思っている」内の一人でした。

3年生くらいまでは外部受験を考えていましたが、結果として慶應に進学しています。

同期もほとんど慶應に進学していきました。

妥協したわけではなく、それなりのメリットがあったからです。

そこで今回は内部進学、外部進学それぞれのメリットとデメリットについてなるべくフラットな目線からお伝えしていきたいと思います。


1.研究内容

慶應の理工学部生は4年生になると研究室に配属され、研究生活が始まります。

夏ごろから本格的に自分の研究を始めることになりますが、ここで頭に入れておかなくてはならないことがあります。

研究内容を決定する際、内部進学生は少し大きめのプロジェクトに関わらせてもらえる可能性があるということです。

決して特別扱いを受けているわけではなく、きちんとした理由があります。

内部進学が決まっている学生は外部進学の学生や就職する学生よりも2年以上長くその研究に携わることが確定しています。

特に企業との共同研究の場合2,3年、長いと5年以上のプロジェクトになっている場合もあります。

指導教員や企業の方としては同じ学生が担当する方が助かりますよね。

このような理由から、内部進学生の方が研究内容決定においては少し有利になっています。


外部進学の場合にもメリットがあります。

外部進学をするということは、選択できる研究分野の幅が広がるということです。

例えば、同じ電気系の学科であっても大学ごとに特色があります。

慶應には強電系の研究室はあまりありませんが、一方で強電に力を入れている大学はたくさんあります。

慶應で3年間学んできたことで自分の興味の方向性もおおよそ定まってきた時期だと思います。

他大学の研究室も含めて研究室探しをしてみることで、ドンピシャな研究室に出会えるかもしれません。


2.受験

慶應の大学院に進学する場合、推薦制度があります。

成績上位者(GPAによって評価される)は推薦が貰えて試験無しで合格することができます。

もし推薦が貰えなかった場合、筆記試験や面接(口頭試問)を受験することになりますが、試験内容は学部の授業内容とリンクしているので、対策が容易です。

なので、他大学から慶應を受験する学生よりも圧倒的に有利です。

ただし、外部進学を表明すると成績上位者であっても推薦が貰えない場合があるようなので要注意です。


外部進学を目指す場合、無条件で筆記試験と面接を受けなくてはなりません。

ですが、先ほど述べたように院試の内容はその大学の授業内容とリンクしているため対策がとても大変です。

例え似たような学科を受験するとしても対策が難しい内容がどうしても出てきてしまいます。

複数の大学院に出願する場合にはその労力は2倍3倍に膨れ上がってしまいます。


3.学費

慶應が、というより私立大学はどこも学費が高いです。

大学院に進学すると多少安くなりますが、それでも年間110万円程度かかります。

一方で国公立大学に進学するとその半分で済みます。

これは非常に大きなメリットです。


4.就職

中には少しでも良いところに就職したくて外部進学を志す人もいるのではないでしょうか。

例えば東京大学大学院に進学した場合、その人は"東大の人"として企業から評価されます。

東大の方がなんとなく希望のところに行きやすそうな気はしますよね。

ですが、東大卒や東工大卒でないと就職できないところって実はあまりありません。

慶應のウェブサイトには過去の就職実績が掲載されているので、自分の行きたい企業があるか見てみると良いでしょう。

少なくとも、就職のためだけに外部進学をするのはオススメしません。


5.環境

内部進学であれば授業を通じてある程度教授の人となりが見えてきます。

また、学科の同期もなんとなく顔見知りなので大きく環境が変わることはありませんし、研究室に配属されてみて「想像と違った!」となる可能性は低いです。

ですが外部進学すると、大学院に入学するまで指導教員や他の学生の人となりが分かりません。

入学してみて波長が合わなかったら2年間辛い思いをしてしまいます。

そのため、念入りなリサーチが必要になります。


6.まとめ

様々な点から内部進学と外部進学を比較してみましたが、どちらも一長一短だと思います。

この記事で挙げたもの以外にも、皆さんが大学院に対して求めるものを思い浮かべて比較してみると良いのではないでしょうか。

少しでも進路選択の参考になれば幸いです。

また、分からないことや相談したいことがあればお気軽にラーニングサポートデスクまでお越しください。

お待ちしています!


小野塚