2019年10月18日金曜日

慶應生活6年目の院生がオススメする授業 ~一般教養編~

こんにちは、金曜担当の菅野です。
金曜の14:00-15:30、化学と物理と英語を中心に相談を受け付けています。

前回は、慶應でおすすめの授業(英語系)を紹介しましたが、多くの方が見てくださったようで嬉しい限りです。今回は一般教養系の授業に関して、内容や先生が印象的であったものをいくつか紹介します。興味がある方にはぜひとも受講をおすすめしますが、今後も開講されるかどうか等、詳細はシラバスをご確認ください。




■文化人類学(井上京子先生) 日吉キャンパス
 人間の進化について概略を理解できます。授業の内容はもちろんですが、井上先生が素晴らしい方であり、矢上に来てからもとてもお世話になりました。専門は言語学系であり、英語の授業もいくつかもっています。修士号と博士号をアメリカで取得したほか、ノーベル賞受賞者がぞろぞろいるマックスプランク研究所での研究もしていたため、留学やPh.D取得、海外の研究事情についても詳しいです。


■科学技術ジャーナリズム(保坂直紀先生(非常勤)) 矢上キャンパス
 科学と社会の関係について深く考えさせられる授業。就活生、研究室に所属している学生には特におすすめ!保坂先生は、東大で物理の学士と修士号を取得したのち読売新聞社へ入社、そして働きながら東工大でドクターを取得するというとんでもない経歴の持ち主で、話すことに豊富な経験が詰まっています。新聞記者であったため「相手に伝わる文章」に精通しており、授業を通してそうしたスキルも身につきます。保坂先生は非常勤講師ゆえ普段は慶應にいないため、本授業は直接お話を聞くことのできる貴重な機会です。


■言語文化論(小野文先生) 矢上キャンパス
 言語、特に外国語に関して見方が大きく変わる授業。小野先生は博士号をフランスで取得しており、特にフランス語に精通しています。授業を通して私は、外国語の科学的な習得法である「第二言語習得(the Second Language Acquisition, SLA)」に興味を持ち、小野先生に頼んで詳しい別の先生を紹介してもらったことがあります。言語の魅力を体感したい学生や、外国語をマスターしたいという学生には特にオススメ!


■実践知財管理 矢上キャンパス
 21世紀を支配する知的財産に関して、ゼロから詳しく学ぶことができます。知的財産を実際に活用している様々な社会人の方から講義を聴くことができ、本当に刺激的な授業です。また、本授業はリーディング大学院生向けであるため、普段出会うことのできない、志高い彼らと交流する機会にもなります(この授業を通じて、私は2名の同期リーディング生と知り合いました)。私は知的財産に関してなーんにも知りませんでしたが、この授業で非常に感銘を受けたことをきっかけに、特許庁や特許事務所のインターンシップに参加したほか、知的財産権に関する国家資格を取得するまでにハマりました。昨今では中国とアメリカが知的財産に関してもめていることを見ても、もはや知的財産をスルーして現代世界を生き抜くことはできません。特に、企業であれ大学であれ、研究をする人には知的財産は切ってもきれない関係です(以前のブログで少し説明しています)。知り合いの弁理士の方が以前、「この世を支配するのは知財だと気づいてしまった」と言っていましたが、知財を学ぶと、これまで見えなかったものもみえてくるかもしれません。


今回はおすすめの一般教養系授業を紹介しました。
授業は独学と違い、ユニークな先生からも学ぶことができる素晴らしい長所があります。

質問コメント等いつでもお待ちしております。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

菅野



2019年6月21日金曜日

慶應生活6年目の院生がオススメする授業 ~英語編~

こんにちは、金曜担当の菅野です。
金曜の14:00-15:30、化学と物理と英語を中心に相談を受け付けています。

さて昨今は英語ブームであり、英会話教室やインターネット講座が充実してきました。
しかし、せっかく学生をやっているのであれば、英語は授業で鍛えるのがよいと思います。

私は慶應での学生生活が5年を超え(現在修士2年生)、これまで数多くの英語の授業を履修してきましたが、授業ならではの恩恵に数多くあずかってきました。


そこで今回は、(1)英語を授業で学ぶメリットと、(2)慶應の中で特におすすめな授業の2つについてお伝えします。


1. 英語を授業で学ぶメリット

優秀な講師から学べる

 昨今話題の無料インターネット英会話などとは異なり、”英語を教える専門家”(例えばTESOL保有者や英語研究の教授など)から、追加料金不要で(授業料に含まれてる)講座を受講できます!

多様なバックグラウンドの学生とのペアワーク

 授業によっては、理系学生はもちろんのこと文系の学生、そして海外からの留学生も受講します。特に留学生は国費留学生などが多く非常に優秀で、なぜ英語の授業を受けているのか疑問なほどでした(笑)。様々なバックグラウンドを持つ学生とのプレゼンや劇を通して英語を学ぶことができるのは、授業以外ではめったに得られない機会です!!

授業外でも先生に助けてもらえる

 これが最大の強みといえるかもしれません。先生は私たち学生のことをよく理解してくれており、授業外でも助けてくれます(もちろん無料で笑)!!!。私自身、LINEやメールでアドバイスをもらったり、英語ネイティブの先生から海外派遣のための推薦状を書いてもらったり、英語面接の練習をしてもらったり、留学の相談をしたり...本当にお世話になりました。


2. 慶應のおすすめ英語授業


日吉キャンパス

英語スピーキング

 英語を「話す」ことに重点を置いた授業です。先生によって内容は異なりますが、大方はプレゼンテーションをメインで行います。話す以外にも読みものが多いため「読む力」、また授業によってはビデオを観たりもするため「聞く力」も鍛えられます。レベルは3段階あります(スピーキング1,2,3)。英語レベルの目安として、個人的にはスピーキング1と2はTOEIC~600点程度、スピーキング3は600点~くらいかなと思います(TOEICのスコアとspeakingは一般に相関がないので、あくまで参考です)。英語を始めたての学生から、さらなるレベルアップのために利用する学生にも幅広くおすすめです。

英語留学準備

 その名の通り、留学を目指す学生のための授業であり、上に述べた英語スピーキングと比べるとレベルは高めです。内容としては、留学先でまさに必要になるスキルの養成、たとえばacademic writing, group discussion, presentationなどです。担当するCollin先生は、授業外では日本人向けに英会話講師をしているため、日本人が苦手な点、留学先で困る(であろう)点を知りつくしており、そのうえで巧みなカリキュラムをつくっています。また、先生は非常にきさくでユーモアたっぷりで、課題はえぐいですが、授業の雰囲気は和やかです。留学を考えているならばぜひとも取るべき授業です。

矢上キャンパス

英語ディスカッション

 日吉の英語スピーキングの発展版です。英語スピーキングは、「伝える」という比較的一方的なものであったのに対し、こちらの授業は「議論」を重視します。パネルディスカッションなどお互いの意見をぶつけ合う機会が多いです。自分の意見を述べるのはもちろん、それに対する賛否も行い、自分の考えを主張するという力が身に付きます。話せるようにはなったけどいまいちぱっとしない。。。そのような学生に向いていると思います。

テクニカルコミュニケーション

 英語での学会発表やプロポーサルを行う学生向けの授業です。英語授業の集大成ともいえ、社会で確かに使える英語力を身に着けることができます。他の英語授業とは異なり、この授業には日本人学生よりも留学生が多く参加するため、日本にいながら留学したような刺激的な環境で学ぶことができます。



今回は英語の勉強に役立つ授業を紹介しました。
学生であることを存分に活かし、授業を通して楽しく効果的に英語を身に着けられますように!

質問コメント等いつでもお待ちしております。
オススメ授業(一般教養編)も執筆しているので、併せて読んでいただけたら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

菅野



2019年5月27日月曜日

台湾での国際学会について

こんにちは、奥村です。
昨年度から引き続き2年目のラーニングサポートスタッフです。
曜日の後半(14:00-15:30)担当になりました。

今年度の最初のラーサポブログでは、去年11月に行った国際学会についてお話ししたいと思います。

ISOR13(The 13th International Symposium on Organic Reactions)という有機化学の国際学会で、開催地は台湾、國立交通大學でした。
台湾北西部の新竹市にあります。去年7月に私が行った國立清華大学の真隣の大学です。

本当に真隣なので、散歩していると迷っていつの間にか違う大学に、ということもありました。

1日目には、夜からウェルカムレセプションとして、ホテルでの立食パーティーが行われました。以前滞在したときの研究室のメンバーも学会に参加していたので、4か月ぶりに再会しました。

2日目、3日目の朝と夕方には口頭発表があり、私は昼にポスター発表を行いました。
3日目の夜には、中華料理のお店でバンケット(食事会)がありました。
中華のフルコースはわりと量が多いので食べきるのが大変ですね。

4日目には朝に発表があり、昼に閉会しました。
閉会した後には希望者でエクスカーション(遠足)に行きました。
行き先は陶器の街である「鶯歌」と、古い街並みが有名な「三峡老街」でした。

鶯歌にある陶器博物館でのお土産屋さん。値札についている”$”は台湾ドルのことなので、この写真に写っている品物は大体1000円から2000円ほどです。


三峡老街の街並み。いろいろなお店があります。入ったお土産屋さんでは店員さんが英語が話せなくてどうしようかと思いましたが、少しだけ日本語の話せる方で助かりました。


エクスカーションの後のディナー。左下にあるのが台湾ビールです(すっきりとしていておいしい)。

発表をされていた先生方や別の大学の学生たちと一緒に街をめぐり、またディナーでお話しすることもできました。

みなさんももし国際学会に行かれることがありましたら、もちろん発表も大切ですが、ぜひバンケットやエクスカーションなどのイベントも参加してみてください。

奥村でした。

チャレンジ!TOEIC900点

こんにちは。月曜担当の佐藤です。
去年に引き続きよろしくお願いします。

今回はTOEICについて書いていきます。
具体的には「どうしたらTOEIC900点を取れるのか?
ということについて考えていきたいと思います。


1. 最初に(※注意)


初めに断っておきますが、
私はまだTOEIC900点を取れていません。

「取れていない奴がどうこう言っても説得力ないよ」

と思われるかもしれませんが、
チャレンジの様子をリアルタイムで伝えることで、
少しでも参考になればと思い、書かせて頂きます。
(6月23日(日)受験予定)


2. TOEIC900点を取るメリット


具体的な戦略を考える前に、勉強の動機付けのため、
メリットを整理しておきましょう。

(1)一目置かれる
TOEIC900点を取る難しさは広く知られているので、
取得すれば多くの人に一目置かれます。

(2)チャンスが広がる
ネイティブに近いレベルとされるTOEIC900点を持っていると、
就職後に海外関連の仕事を任される機会が増えます。

(3)自信がつく
コツコツと努力を重ねて目標を達成できたら、
より一層自分に自信を持つことができます。


3. 具体的な戦略


では実際に戦略を考えていきたいと思います。

(1)リスニングの強化
一般的に日本人はリーディングよりリスニングを苦手としています。(私もそうです)
苦手なリスニングを効率的に強化するため、以下を意識して勉強したいと思います。

・本番と同じ形式の問題で勉強する(専用の問題集を用いる)
・集中できる静かな場所で取り組む(うるさい場所ではやらない)
・聞き取れなかったり、意味が分からなかった単語を明らかにして、ノートにまとめる

(2)通学時間の活用
通学時間を活用し、英単語の暗記とリーディングの強化を行います。
→リーディング強化の際にも、リスニングと同様、本番と同じ形式の問題で勉強します。
個人的に、電車内はうるさいと感じてしまうので、リスニングはやりません。

(3)勉強の習慣化
「継続は力なり」という言葉がありますが、
やはりコツコツ勉強することが、一番自分のためになります。
英単語の暗記とリスニング&リーディングの強化は毎日行いたいところです。


―最後に―


6月23日(日)の結果が出たら、どの参考書や勉強法が、
実際に点数アップの役に立ったかお伝えしたいと思います。

月曜担当 佐藤

2019年4月3日水曜日

研究と特許 #1 特許料-ノーベル賞金や科研費よりも莫大な研究費

こんにちは、化学担当の菅野です。
何度かに分けて、「研究と特許」についてお伝えしていきます。
今回は、特許から得られる資金がいかに莫大か、を知っていただけたらと思います。


特許料収入はノーベル賞金をも上回る

12月10日、ノーベル賞受賞式が行われました。
ご存知の通り、ノーベル賞の賞金は莫大です。その額は、900万スウェーデンクローナであり、日本円にして1億1500万となっています。他の賞金、例えばフィールズ賞やマグサイサイ賞、五輪報奨金は数百万円程度であることと比べると、いかにずば抜けた額なのかが分かります。

2015年に医学・生理学賞を受賞した日本人に大村智先生がおり、賞金を3人で山分けした結果、およそ3000万を得ています。しかし、これよりも大きな研究費を先生らは獲得しています。代表的なのは、国からの研究費である科研費でしょう。大村先生が北里研究所に移ってから獲得してきた科研費は、総額1.18億円といわれています(1)。もっとも、これは比較的少ないと思われます。同じくノーベル賞を受賞した日本人研究者の科研費は、大隅良典先生(2016年):18億円、本庶佑先生(2018年):47億円となっています(2)。

もちろん、いずれも莫大な額なのですが、大村先生にとっては、これらの資金よりももっと多くを稼ぐ術があります。それは、特許料収入です。

「研究を経営せよ」


「研究は経営だ。経営を研究する人は多いが、研究を経営する人はいない。」-これは大村智先生の口癖だそうですが、これを体現しているのが先生といえます。北里研究所で研究をしていた大村先生は、研究成果を企業に移転し、実用化に成功したら特許料が研究所に帰ってくる仕組みを確立しました。その額は実に250億円を超え、特許料で最も稼ぐ日本人と言われています(3)。こうして得る莫大な資金は研究所の再建に用いられ、さらなる研究に投資されています。先生はマネジメントに対しても優れた力を発揮していたのです。

余談ですが、さきほど述べた仕組みは技術移転といわれ、特許と密接に関わった深く面白い事情があります。アメリカでは近年、”大学の技術移転”が一大ビジネスになっています。この辺はまた別途、お伝えします。



研究と特許#1

今回は、特許料がいかに莫大な研究費となりうるかをお伝えしました。もちろん、特許料がすべて研究費になるわけではありませんし、特許料であまり稼ぐことができない研究分野もあります。また、「お金のための研究ばかりしていたらおしまいだ」との批判も、多くあるかもしれません。しかし、特許をうまく活用して研究に活かす姿勢は、学ぶ価値があるものではないでしょうか。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。ご意見等がありましたら、いつでもコメントをお待ちしております。


参考文献
(1)原泰史、”オープンイノベーションを政府は支持できるのかー大村智氏ノーベル賞受賞の意義”、https://www.slideshare.net/scirexcenter/ss-64898705(引用日:2018年12月21日)
(2)文部科学省、”総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会 文部科学省戻出資料 平成30年10月18日”、https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20181018/siryo2.pdf(引用日:2018年12月14日)
(3)週間朝日2015年10月15日、”研究所債券、特許収入250億円 ノーベル賞・大村智教授の経営手腕”、https://dot.asahi.com/wa/2015101400056.html?page=1(引用日:2018年12月21日)










2019年1月21日月曜日

ラーニングサポート日吉出張相談

こんにちは、月曜後半担当の寺田です。
今年度の授業も後少し、それが終わったら春休みですね。
「旅行の予定を立てたいけれど、その前に期末試験という壁が立ちはだかって困っている・・・」
そんな悩みを解決するために、今年もラーニングサポート日吉出張相談を実施します!

【日時】1月23日(水)&25日(金)  12:00~15:00
【場所】日吉図書館1階スタディサポート
【内容】1月23日(水)  物理・化学
    1月25日(金)  数学・化学
【担当者】1月23日(水) 物理 寺田(M2)
            化学 上妻(M1)
     1月25日(金) 数理 竹内(M1)
                                    化学 奥村(M1)
※当日は矢上でも通常のラーニングサポートを実施します。

気軽に来てくださいね。