2020年12月14日月曜日

有機化学の授業で反応機構に苦戦している人へ、『困ったときの有機化学』

こんにちは。修士1年の江口です。秋学期から木曜担当になりました。引き続きよろしくお願いいたします。
本日は、有機化学について、おすすめの参考書を紹介していきたいと思います。

有機化学の授業では、大量に反応が登場しますが、そのすべてを覚えるというのはなかなか現実的ではないです。重要なのは、反応の基本的なルールを理解し、どのような反応が起こるかを予想できるようにすることだと思います。
そのような反応の基本的なルールを学ぶのにおすすめなのが、『困ったときの有機化学』です。この本では、学科の授業で最初の方にサラッと流されてしまう内容についても、とても丁寧にわかりやすく解説されています。そしてこの、「授業の最初の方で触れる内容」が、実は後に色々な化学反応と反応機構を理解するうえで重要になってきたりします。有機化学がさっぱりわからない!という人や、授業の内容をよく理解できているとは言えないという人におすすめです。また、次のような困りごとのある人も読んで損はないはずです。

・ケクレ構造式の書き方がいまいちわかってない
・形式電荷をどうつければいいのかよくわかっていない
・共鳴構造のイメージがわかない
・曲がった矢印の書き方がピンと来ない
・ニューマン投影式、いす形立体配置、フィッシャー投影式の書き方がよくわからない

困ったときの有機化学. 上』D. R. クライン著, 竹内敬人, 山口和夫, 木原伸浩訳


困ったときの有機化学. 下』D. R. クライン著, 竹内敬人, 山口和夫, 木原伸浩訳



上のものは2018年に出版された第2版です。理工学メディアセンターには旧版もあります。わたしは当時旧版を使っていました。旧版の内容は、第2版『困ったときの有機化学 上』とほとんど一緒です。これらの『困ったときの有機化学』シリーズは、『Organic chemistry as a second language』という本の邦訳版となっています。「原著を読んでみたい!」という人や、「有機化学を勉強するのと同時に英語力も鍛えたい!」という人は以下のリンクにある原著にぜひチャレンジしてみてください。first semester topicsが上巻、second semester topicsが下巻に対応しています。







「ある程度反応機構にも慣れてきたし、試験対策にもっと練習を積みたい!」という人へは、『演習で学ぶ有機反応機構』がおすすめです。この本は、大量の反応機構の問題が難易度別にA問題、B問題、C問題に分けて収録されており、巻末には反応機構の詳細な解説が掲載されています。そのため、自学自習にぴったりです。ただ、なかなか骨のある問題が多く、A問題でも解くのは結構大変かもしれません。

以上で、おすすめの有機化学の参考書紹介を終わります。「有機化学がよくわからないよ~」という人はぜひ『困ったときの有機化学』を読んでみてください!

江口