2025年12月3日水曜日

学会に参加してみよう!(金曜担当 下永)

じめに
みなさんこんにちは!
火曜12:30~14:00のラーニングサポートを担当しております、下永です。
今回は、これから学会に参加する方に向けて、学会参加の方法や必要な準備などについてお話しします!筆者が参加した学会での具体的な過ごし方もご紹介して学会の雰囲気などもお伝えしようと思っていますので、学会に参加するか迷っている方もぜひ参考にしてください!

会への参加の仕方
①会員登録
 多くの学会ではその学会の会員でないと参加登録ができません。会員登録は、基本的な個人情報を記入することと、会費を納入することで完了します。

②参加登録(演題登録)
形式選択:学会での発表カテゴリは「一般演題」と「指定演題」の2つに分かれますが、基本的に学生が参加するときは「一般演題」になります(指定演題は学会事務局が直接依頼した研究者・企業の方が行います)。そして一般演題ではポスター発表か口頭発表のどちらかの形式で発表します。ポスター発表では発表者が各々ポスターを会場に掲示し、参加者(学生・研究者・企業の方など様々)に対して説明・質疑応答します。入れ代わり立ち代わり様々なバックグラウンドを持つ方から意見をいただけるので、それまでにはなかった視点を持てるようになります。口頭発表では発表者一人ひとりに発表・質疑応答時間が与えられ、スクリーンに映されたスライドを使ってプレゼン形式で発表します。ポスター発表とは異なり、口頭発表では一度に多くの人へ自分の研究をアピールすることができます。基本的にはポスター発表よりも口頭発表のほうが難易度が高いので、初めての学会ではポスター発表をおすすめします!

演題の登録:発表タイトルや抄録(研究内容を簡潔にまとめたもの、400字程度)を提出します。国内学会であれば開催日の数か月前、国際学会であれば半年以上前までに提出します。提出された演題は事務局側での審査を経て採択されます。演題の採択割合は、有名な国際学会では1~2割程度、国内学会では8~9割程度とまちまちです。

参加費の納入:演題が採択され参加が確定したのち、参加費を納入します。参加する学会によりますが、筆者が参加した学会はすべて、学会当日が納入の期日でした。また参加費の納入が確認され次第、開催地のマップや当日に自分が使用する名札などの印刷が行えるようになるので早めに済ませておくのがよいです。

要旨/予稿の提出:学会によっては演題が採択されたのちに、要旨/予稿を提出する必要があります。要旨/予稿は図表を用いて研究内容を説明するもので、抄録よりも長めになります。国内学会であれば1か月前、国際学会では数か月前までに提出することが多いです。要旨/予稿の時点でデータが間に合っていない場合やデータを全て載せないこともしばしばあります(この場合は「当日は○○についても議論する。」など書かれています)。

会当日までにやっておくこと
 ここまでの項目をこなせば基本的に学会に参加はできます!ただし学会当日までに準備しておくことはまだまだあります。

登録確認、参加費入金、名札印刷:参加登録や演題の採択通知、参加費の入金などは必ず事前に確認しておきましょう。学会の会員登録や参加登録などを行っていると学会関連のメールがたくさん送られてきて確認すべきメールがわかりづらくなりがちです。筆者も一度、学会での発表前日まで参加費を納入し忘れていたことがありました……笑。

移動手段やホテルの確保:その学会が自宅から遠方で開催され、かつ数日間にわたって参加する場合は飛行機や新幹線などの移動手段やホテルを確保する必要があります。基本的に自分で確保しなければならないのですが、裏を返せば自分で自由に観光などの予定を組むことができます。筆者が広島の学会に参加したときは、学会参加後に1日延泊して広島を観光しました!(後述)

ポスター/スライド作成:学会では自分の研究分野にあまり明るくない方も多く参加しています。よって当日の発表資料は、背景知識がない方でも伝わるような内容やデザインにしなければいけません。そこで学会初心者は特に、先輩や指導教員などの過去資料を参考にしながらポスター/スライドを作るように心がけましょう。また演題や抄録・要旨なども同様ですが、作った資料は指導教員とのディスカッションや添削を通してブラッシュアップしておきましょう。
 
ポスター印刷/ポスターデータ提出:ポスター発表の場合、ポスター会場に設置されたPCでポスターを見る形式(eポスター)と実際に紙に印刷したものを掲示する形式の2つがあります。前者の場合は事前にデータを提出するだけですが、後者の場合は自前で印刷しなければいけません。基本的にポスターはA0サイズ(841 mm×1189 mm)で印刷するため、①A0サイズまで印刷できる業務用プリンターを借りて印刷するか②ポスターを16等分してA4用紙16枚に印刷するかのいずれかを選びます。幸い慶應理工生は矢上キャンパス内で大判印刷サービスを利用できます!

PCの接続確認:口頭発表の場合は作成したスライドを当日、プロジェクターなどを用いて投影します。用意されている接続の方式(Display Port、HDMI、USB Type-Cなど)は会場によって異なるので、不安な場合は学会事務局に確認しておきましょう。基本的にはHDMIケーブルが用意されていて、さらに最新のノートPCにはHDMIポートがない場合が多いので要注意です(その場合は変換アダプタを用意する必要あり)。

発表練習:発表資料を作成し次第、実際に声に出したり時間を測ったりしながら発表練習をしましょう。口頭発表の場合は指定された時間ちょうどで発表が終わるように練習しておきましょう。時間を超過すると質疑応答時間が短くなり、また発表が短すぎても質疑応答時間で繋がなければいけなくなってしまいます...。ポスター発表の場合は短めの説明(3分くらい)と長めの説明(5~10分)など調節できるように練習しておきましょう。聞きに来てくださった方が「○分くらいで説明お願いします」や「一旦全部聞いてもいいですか」など要望する場合があるからです。

催中の過ごし方
 ここでは実際に、広島で開催された学会(日本ゾルゲル学会討論会)に参加したときの過ごし方を具体的に紹介します!

・学会の概要
日本ゾルゲル学会の討論会では、ガラスやセラミックス、有機無機複合材料など様々な材料の合成に用いられているゾル–ゲル技術に関連する研究が扱われています。私もゾル–ゲル法を用いた無機材料の研究を行っていたことから、自分の初めての学会として参加しました。この学会に参加したときは、前準備をしっかり行って当日は観光をかなり楽しみました!笑

・各日程の過ごし方
1日目:翌日の学会が朝から開始することもあり、1日目は研究室の同期と広島に前乗りをしました。昼頃から原爆ドームや縮景園など広島市周辺の観光地を回り、夜は少し飲みつつ、会場に近い東広島のホテルへチェックインしました。

2日目:10時ごろに学会の受付を済ませて招待講演やポスター発表などを17時ごろまで聴講しました。次の日には自分の初・ポスター発表が控えていたため早めにホテルに帰宅し、発表の練習をしました。

3日目:午前は招待講演を聴講し午後はポスター発表を行いました。自分の考えていなかった観点からの意見・質問をいただき、とても有意義なディスカッションをすることができました。夜は広島市内のホテルへ移動して研究室の同期や先輩と飲みを楽しみました。

4日目:1日目で回れなかった観光地へ行くために延泊しました。今度はフェリーで厳島にわたり厳島神社の見学や食べ歩きを楽しみました。


後に
 学会に参加するにあたってはたくさん準備することがありますが、計画的に臨めば有意義な知見を得たり、その土地を楽しむことができます。ぜひみなさんも積極的に学会に参加してみてください!

下永


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