皆さん、はじめまして!今年度理工学メディアセンターでラーニングサポート(金曜前半12:30-14:00担当)を務めさせていただきます、修士2年の島津です。これが自分の投稿第一号となります。
学生最後の年、自分がこれまで勉強してきたことを活かして皆さんのサポートを出来ればと思っています。
とは言っても、現在は慶應のキャンパス全体が閉鎖中で、メディアセンターに顔を出すのはもう少し先になりますが。。。
さて、最初の投稿として、今回は自己紹介を研究と混ぜて軽くお話しようと思います!
自分は学部生時代は物理情報工学科に所属していました。学科名から何をしているのか想像しにくいですが、多くの分野を学ぶことが出来る学科です。実際、名前の「物理」や「情報」に限らず化学や生物に関する研究をしている学生もいます。
その中でも、私は制御工学・深層学習・量子情報の分野で研究を行っています。特にそれらを融合するような研究をしています。なぜこんな3つも手を出しているのかにはワケがあるのですが、その前にこれらがどのような学問であるがをざっと説明します。
①制御工学(伝統の学問)
何十年も前から産業で大活躍している伝統的な学問であると思います。英語だとControl Engineeringです。ロボットや自動車を動かしたりする際に用いられる学問です。慶應だと機械工学科やシステムデザイン工学科で代表される学問ですね(物理情報工学科でもやってますよ!)。更に、制御工学は機械だけでなく、ヒトの筋肉や後述の量子情報分野にも応用されています。なんでもありですね。というのも、制御工学は数学(純粋数学寄りじゃない方の、行列や確率統計等の数学)を駆使する学問で、機械も人の筋肉の動きも最終的には数学を使って解析をするので、制御工学が応用できるのです。
この言葉を聞いたことがある学生は多いと思います。AIだとか機械学習って、最近流行っていますよね。。。まさに現代の技術のトレンドです。深層学習はそういった人工知能の分野に入る学問です。大体イメージが沸くと思いますが、翻訳や顔の認識、金融の市場予測などなど応用の幅が大変広い学問です。過去のデータを集めて、そのデータを基に未来に何が起こるのかを予測したり、それに対してどう対応をすればよいかを決める際に用いられます。そして、深層学習はデータの解析に行列、確率等の数学を駆使する学問です。大学の授業で行う確率論に素養がある人にとって深層学習はかじりやすいのかなと思います。
③量子情報(未来のトレンド)
量子情報は量子力学と言われる学問の一種で、説明が難しい学問です。直感的に理解しにくい現象を扱うからです。量子力学の世界では、影分身のような魔法的な現象が起こります(影分身が適切な表現かどうか微妙ですね…)。そういった「魔法」をしっかり理論的に説明するための学問が量子力学です。そんなことできるの?と思うかもしれませんが、これまた確率・行列等の数学を駆使すると魔法の説明がある程度可能になります。そして、その魔法を使って、恐ろしく計算時間の早いコンピュータ(通称:量子コンピュータ)を実現しようといった学問が量子情報と呼ばれています。未来の計算技術の常識を変えるような学問です。
はい、長々と説明してしまいましたね…。では、ここからなぜ私がこれらを学んでいるのかを話します。勘がよい方は察しているかもしれませんが、これら3つには数学が共通しています。①~③の分野で理論的な解析を進めていくと、似たような数学的な手法を使うことになります。特に、行列と確率統計です。数学を通じて一見異なる3分野を融合させることが出来ること。これが研究の最大の魅力です。
自分は学部4年生の時に量子情報と制御工学を融合する学問(通称:量子制御)に出会い、現在は量子情報と深層学習を融合させる取り組みにフォーカスしています。
今日は自分の研究を例に自己紹介させていただきました!今年度はよろしくお願いいたします!
島津
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