2026年6月11日木曜日

初手・論文を読む【今年、研究室に入ったあなたへ】(木曜担当:近藤)

こんにちは!

ラーニングサポート木曜担当の近藤です。

  • 化学系の講義で困っている
  • 博士課程ってどんな感じ?
…など、気になることがあれば、お気軽にご相談ください!

【毎週木曜12:30-14:30 理工学メディアセンター本館1階レファレンスデスク】

にてお待ちしております。

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研究室に入ってきたばかりの後輩からたまに

今のうちにやっておいた方が良いことって何ですか?

と聞かれることがあります。私はこの質問に対してはいつも

論文を読むこと

と答えています。これが、この記事で私から皆さんに伝えたいことです。

もう少し詳しく説明しますね。
「論文を読むこと」と言いましたが、闇雲に論文を読めばいいわけではありません。先行研究を読むことを強く勧めます。

先行研究を読んで、自分の研究の位置づけを把握してほしいのです。過去にその分野でどんな研究が行われ、何が分かっていて、何が分かっていないのか。今の状況下でなぜあなたの研究が重要なのか。こうしたことを皆さんは知っておく必要があります。


~なぜ論文を読む必要があるのか~

なぜなら、研究発表の場では、研究の背景知識は「当然知っているもの」として扱われるからです。背景知識があることを前提に、より高度な質問が飛んでくることがしばしばあります。そのとき、背景知識がなければ話についていけず、議論することすらできなくなります

これは背景知識を説明してくれない質問者が意地悪なわけではありません。科学者とは元来、先人たちが積み上げた知の上で仕事をし、そこに自分の知を積むものです。先人たちの仕事を知らないことはあり得ない、という世界なのです。

学部4年生の皆さんは先生から研究テーマを与えられた人がほとんどだと思います。そのため、研究を始める前にあるはずの「先行研究調査」の過程をスキップしています。これは研究の世界においては本来あり得ない、ということを肝に銘じておきましょう。

ここまで読んだ方の中には、「議論に背景知識が必要なら、発表の前に論文を読んでおこう」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、発表直前に詰め込むことはオススメしません。なぜなら、卒論をまとめる段階はとても忙しいからです。先行研究を読み漁っている余裕などないと思います。だから、時間のあるうちに先行研究を読んでおくことをオススメします。


~どうやって論文を読むのか~

論文を探す上では、「Web of Science」「Scopus」「Google Scholar」といった論文データベースを活用するのが効率的です。また、Google GeminiのDeep Research機能を使って特定分野の論文を集めさせるのもアリでしょう。

一つ注意しなければならないのは、慶應の外で論文を読む場合、K-Supportの「リモートアクセス(KOSMOS/データベースナビ)」経由でアクセスしないと論文を読めないことがある、ということです。

オープンアクセスというインターネット上で無料公開されている論文であれば誰でも読めますが、大多数の論文は、その学術誌の購読者しか読めないようになっています。幸い、慶應は数多くの学術誌を購読しているので、慶應の学生であることを示せば大体の論文は読めます。その手段がK-Supportの「リモートアクセス(KOSMOS/データベースナビ)」経由でアクセスすることです。ちなみに、慶應のキャンパス内ネットワークからのアクセスであれば、上記のような手段をとらなくても慶應の学生として認識されます。

Database NAVIからScopusへアクセス。Scopus内で論文を探そう(Database NAVIを通っていないとオープンアクセス以外の論文は読めない)。

論文データベースの使い方を知りたい方は、メディアセンターが開催した文献探索セミナーの録画をご利用ください。
https://www.lib.keio.ac.jp/scitech/services/seminar.html#A01


いざ論文を探してみると、その数に圧倒されると思います。「え?これ、全部読むの?」と。そんなときはあなたの研究テーマのReview論文を探してみてください。Review論文とは、特定のテーマの論文をまとめたものです。複数の研究者の論文がまとめられており、その研究界隈の動向を振り返ることができます。Review論文だけでも、あなたの研究の位置づけを大まかに把握できると思います。

Review論文を読んでいく中で、気になる研究やあなたのやりたいことに近い研究と出会うことがあると思います。そうした研究を見つけたら、どんどんアクセスして元論文を読んでみましょう。その論文の中で気になる別の研究が引用されていたら、さらに遡りましょう。そうやって、Review論文を出発点にして、気になる論文をどんどん遡っていくのが先行研究調査の主な流れです。


~最後に~

かなりざっくりとですが、論文を読む上での基礎事項についてお伝えしました。

先行研究調査は複数の論文を読むことになるので時間がかかります。慣れないうちはなおさらでしょう。ですから、早いうちから先行研究調査を進めておくことをオススメします。この記事がその一助となれば幸いです。


近藤


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