2023年2月7日火曜日

就職活動について(杉原)

 こんにちは、木曜担当の杉原です。

今回は就職活動について書かせていただきます。と言っておきながら、私の進路は就職ではなく進学であり、その経緯も含めてまとめていきます。

就活を始めるにあたって

所属する研究室では、例年メーカーの研究開発職への就職がほとんどであり、私自身日々の研究が好きであったことから、メーカー就職を念頭に置いていました。また、漠然とですがビジネスにも興味があったため、企業のビジネスに関わることができ理系院卒の多いコンサルにも興味がありました。一方、進路を考える上で、博士課程への進学は一切考えていませんでした。

インターンシップ・企業説明会(修士1年の5月~12月)

就活を本格的に始めたのは、修士1年の5月からです。5月末頃から夏季インターンシップ(8~9月に開催)の募集が始まるため、この時期にエントリーシート(ES)を書き始めました。インターンは二通りの方法で探しました。一つ目は、研究室や応用化学科卒業生の主な就職先を参考にして企業の採用ページから探す方法です。もう一つの方法は就活サイト(マイナビなど)に登録し、業界と日数から絞り込んでインターンを検索する方法です。

最終的に化学メーカーとコンサルそれぞれの5 daysのインターン選考に通過しました。しかし、日程が重なってしまい、当時としては珍しく対面でおこなわれた化学メーカーのインターンに参加し、コンサルのインターンは辞退しました。後になって、すぐに辞退するのではなく日程変更できないかを聞けば良かったな~と思ったため、複数のインターンの日程が重なった場合は日程変更が可能かどうか確認することをオススメします。

化学メーカーのインターンでは、インターン用の実験ではなく社員の方が今まさに取り組んでいる実験に関わらせていただき、企業での研究開発や職場の雰囲気を知ることができました。このインターンが楽しかったことが決め手となり、卒業後はメーカーで研究をしたいと思うようになりました。夏季インターン後は、メーカーのオンライン説明会や1 dayインターンに参加して様々なメーカーの企業概要や業務内容、制度について調べました。説明会で気になったことがあればノートにメモしておき、それをインターンや本選考のESに組み込むようにしました。

本選考(修士1年の12月~3月)

メーカーの本選考では、12月から順次ESの提出をしました。学校推薦が利用できる場合は学校推薦枠で応募しました。慶應の学校推薦は少し複雑なので、メーカー志望の方は先輩や研究室の人に聞いたり理工学部の就職説明会に参加したりして早めに推薦の仕組みを理解すると良いです。私の企業選びの一つの軸として「海外で働く」ことがありました。多くのメーカーが国外に研究所などの拠点を持っており、また海外派遣制度を整えています。しかし、それらの制度がどのくらい利用されているのか、また入社何年目で海外に行けるのかなど不透明な部分が多く、いざこの会社で働くかもしれないと考えると、どの企業に行きたいのかが自分でもボヤっとしてしまいました。そういった時期に、修士課程修了後に海外大学院の博士課程に進学する方の話を聞く機会があり、海外大学院進学という選択肢を知りました。海外の博士学生は大学あるいは研究室から生活費をもらいながら研究できるため、「研究」と「海外で働く」の二つを両立できると思い、就職活動をやめ海外大学院進学に切り替えました。

海外大学院留学の準備・出願(修士2年の4月~)

海外大学院の進学先として、日本と同じように修士課程と博士課程が明確に分かれているEU圏の大学に絞りました。EU圏の博士課程への入学には、試験があるわけではなく、原則として書類(履歴書や志望理由書など)と面接で審査が行われます。また、4月や9月に一斉に入学するのではなく、入学時期は人によってバラバラです。大学や研究室の探し方としては、様々な国や大学の博士学生募集が記載されているウェブサイトから探しました。自分が主に活用していたのは以下の2つのサイトです。

サイトには、大学や教授、募集人数、研究プロジェクトの概要や応募人材に求めるスキルや経験が記載されています。企業の中途採用のようなイメージをもってもらうと分かりやすいと思います。しかし、5月や6月にそのサイトを見ていると、入学時期が夏や秋となっている場合が多く、募集時期と博士課程開始時期がかなり近いです。私の場合は翌年の3月に修士課程を修了予定であったため、春学期は一校も応募せず、春学期終了後の8月から応募し始めました。前述した方のアドバイスのおかげもあり、無事に進学先が決まり、現在はVISAなど渡航に向けた準備をしています。

最後に

夏季インターンシップから就職活動を始めたものの、最終的には当初思いもしていなかった海外大学院進学という進路に至りました。ただ、就職活動で様々な企業を知ったことで、日々のニュースで目に留まる情報が格段に増えたと感じています。また「なぜ他の学生ではなく自分を採用するべきなのか」「なぜ他の企業ではなく貴社なのか」などES作成で学んだことは海外大学院の志望理由書作成に活かすことができました。就職活動をしたからこそ、最終的に納得できる進路を見つけ、その進路に進むことができると思っています。研究室によって就職活動と研究活動のバランスのとり方は難しいと思いますが、就職活動で学べることはたくさんあります。そして、就職や日本での進学以外にも海外大学院進学という選択肢もあることを皆さんに知って頂けたらと思います。ぜひ皆さんの納得できる進路を見つけ、その進路に進めるよう頑張ってください!

杉原