2022年10月27日木曜日

機械工学科のあれこれ(木曜担当 相良)

 こんにちは、ラーニングサポート木曜担当の相良です。

秋学期が始まり、少しずつ涼しい日も増えて、いよいよ今年度も折り返しだな、と感じるようになりました。学科説明会や研究室見学の機会が増えて、進路の選択に悩む時期ではないでしょうか。

今回は修士課程も含めて、わたしの所属している機械工学科の雰囲気や必修科目、研究室選びについてお話します。学科選択など進路選択の参考になれば幸いです。

機械工学科の雰囲気

 学科の選択に迷っていたB1の私は「機械工学科」と聞いて、機械油にまみれて作業をする場面や、スパナをもってボルトを締める場面をイメージして、ハードウェアをひたすら手作業で加工して実験をするような泥臭い学科なのかな、と考えていました。
しかし実際には、コンピュータシミュレーションを用いて設計を行ったり、時には機械学習を組み合わせて機械の新しい活用方法を考えたりと、手を汚して作業するだけではなくソフトウェアの分野に触れる場面も多い学科です。
 車や航空機、電車、バイクが大好きだから機械工学科を選びました!という人も勿論たくさんいますが、私のように乗り物に興味がない人も意外といるな、というのが印象です。力学が好き、ものづくりが好き、ピタゴラスイッチのようなからくりが好き、機械が好き、そんな人におすすめな学科です。

 詳細は後述しますが、精密機器のように小さいものから、工場プラントのように大きいものまで、全てのものづくりに通じる学問を学ぶことができるのが最大の魅力で、学問自体の幅が広いため、興味のあることに取り組みやすい学科だとおもいます。

 男女比はおよそ9:1のため、機械科女子は珍しがられることも多いですが、その分学科内で仲良くなりやすいように感じます。また、就職活動などでは、「機械科珍しいね!ものづくりが好きなの?」というように、面接官に興味を持ってもらえることも多かったです。

機械工学科で学ぶこと

 機械工学とは、機械やその部品の設計、材料の加工、製作から機械の使用方法、制御までの全ての項目を対象とする学問です。
機械工学科では、新しい機械を創造するために必要不可欠な四力(機械力学・材料力学・流体力学・熱力学)を必修科目として様々な分野について学びます。

いくつか特徴的な科目を挙げたいと思います。
・図形情報処理(B2・必修)
    CAD(コンピュータ支援設計)を用いて、立体図形のスケッチや製図の基本を学びます。自分が脳内で思い描く形状をコンピュータ上で再現し、図面に書き起こすことができるようになるのは、機械工学科の強みの一つだと思います。

・機械工学創造演習(B2・必修)
 自ら設定した研究テーマについて、秋学期をまるまる使って取り組み、学期末にはポスター発表を行うという少しハードな授業です。しかし、これからより専門性を深めていこう、という学部2年の時期に行う自主的な研究活動は、自分の興味について改めて向き合ういい機会になりました。
 テーマは本当に自由に設定することができたので、私は自分のオーケストラという趣味と絡めて、「折り畳み式の譜面台を最小にするための新しい折り畳み機構の提案」について取り組みました。実際に自分で設計した機構をつくる場面などもあり、新しい機構を実現することの難しさとものづくりの楽しさを感じた授業でした。

・機械工学ものづくりプロジェクト(B3・選択)
 企業の方に協力していただき、実際の製品改良事例について、グループ実習形式で疑似体験しながら学ぶ授業です。私のグループでは、トラックの導風板(運転席上部にある三角のパーツ)の形状について、トラックが受ける抵抗がより小さくなるように改善案の提案を行いました。自分たちの提案に対して企業の方から直接フィードバックをもらう機会は貴重であり、実際のものづくりの場面で発生する制約など机上の学びでは得られない学びを得ることができた授業でした。

このように、機能を満たすための機械を設計し、材料を選択、加工法を考えながら、ものとして実現させるまでの一連の流れを、講義形式だけでなく手を動かしながら学ぶことができるのが特徴です!

機械工学科の研究室

 機械工学科では多くの研究室に長時間のコアタイムが存在しないため、自分が興味を持って自主的に取り組むことのできる研究テーマ選び、ひいては研究室選びがより重要になってきます。 
 研究室選びの一つの軸として、実際にものづくり(もしくは実験)を行いたいかコンピュータ上でシミュレーションや機械学習を行いたいか、が挙げられると思います。他の学科と同様、B3の夏休みから秋学期ごろから研究室見学を行い、10月末頃に研究室進路希望を出すことになるので、B2やB3のときに受講した科目を振り返りながら、自分が手を動かしたいのか、それともシミュレーションを行いたいのかを考えておくと研究室が選びやすいと思います。
 また、別の軸としては、扱うもののスケールの大きさが挙げられます。たとえば、流体力学を中心に飛行機やロケットに関する研究を行う研究室もあれば、細胞やマイクロチップを研究対象とする研究室もあります。自分の研究がどのような場面で役立つのかということにも通ずる内容だと思うので、一度自分の興味対象についてスケールという観点から考えてみるのもいいかもしれません。
 

今回の内容は以上です。少しでも機械工学科について興味を持って頂けたら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

相良