*はじめに*
私は修士2年の9月に初めて国際学会に参加しました。
コロナ感染拡大の影響により、それまでの学会経験は修士1年のときに参加したオンラインの国内学会のみでした。
研究室活動も長い期間対面での活動がなかったため、初の対面・英語発表で緊張しまくりでした。
学会を通じて感じたことや流れを記します。
*国際学会概要*
私が参加した国際学会は
The 9th IFAC Symposium on Mechatronic Systems /
The 16th International Conference on Motion and Vibration Control
です。IFACとMoViCの合併学会でThe University of California, Los Angele (UCLA)校で開催されました。
教授の参加はなく、初の国際学会は研究室の同期と二人のみでの参加となりました。
学会中は3つのセッションが別室で並行開催され、会場は一部屋40人ほど座れる教室のような感じでした。
私の発表タイトルは『Decision-Making Based On Reinforcement Learning And Model Predictive Control Considering Space Generation For Highway On-Ramp Merging』です。渋滞時の高速道路における合流行動に着目した研究内容を発表しました。
発表時間はQ&Aを含めて18分間でした。
*学会参加までの流れ*
3月 論文投稿
最初に論文を投稿します。私が投稿したのはMoViCでフルペーパー2段組み7枚です。
学会の規定上7枚以上になる場合は追加料金かかるため注意が必要です。
私は3月の提出に向けて昨年11月ごろにはMoViCに出したいと研究室の髙橋教授に相談していました。
テーマの絞り込みや論文のまとめ方、掲載する結果の内容の検討を重ね、日本語版の原稿執筆から始めました。教授に確認してもらった後に英語版原稿執筆、英語校正を経て提出を行いました。
慣れない英語での執筆は予想以上に時間がかかり、英語校正された後は赤線がみっちりと。頑張って直しました。
5月 採択通知
投稿した論文で学会に参加できるかの連絡が届きます。届いたメールには見事「Accept」の文字が!受理された場合には同時に査読者からの査読内容が届きます。その内容を見て最終投稿までに論文の加筆・修正を行います。
私の場合はほとんど直すことがなくラッキーでした。
7月 早期登録
最終版の原稿を書き終えた後は学会への参加登録、最終版論文提出を行います。
が、参加登録の選択肢が多すぎてどれに登録すればいいかわからない…
Student Registration、Early Registration、Full Registrationなどたくさんのカテゴリーがありました。まあStudentでしょうと思い、Student Registrationで登録。
見事に違いました。Student Registrationでは論文の投稿ができなかったのです。
学会組織委員会に慌てて連絡し、登録内容をFull Registrationへと変更してもらいました。
無事、最終版論文も提出完了です。
登録カテゴリーによって論文提出可能かどうか、バンケット(懇親会のようなもの)費が含まれているかも異なるため、参加形式によって入念に確認する必要があります。
私はFull Registrationにバンケット費が含まれていることに気付かず、二重でバンケット費を払っていることに後から気づきました…
8月 学会準備
登録を終えた後は学会直前まで運営側からは特に連絡はないので学会参加に向けて準備を進めます。行った準備はざっくりと以下の通り。
- 航空券予約
- ホテル予約
- コロナ保険加入
- ESTA申請
航空機に関しては時間帯と値段をいくつか用意して先生に相談して決めました。相談の結果、学会の前日に会場入りして、学会の一日後に帰国する便をとりました。
ホテルは上記日程を埋めるため、4泊分が必要です。初日から学会終了日前日までは学会側が安く用意してくれていたホテルを取りました。学会終了日に泊まるホテルは自分たちで探して予約しました。
保険に関してはコロナにかかった際に現地での治療に莫大なお金がかかることを危惧して加入しました。学校側からも国際学会に参加する際には必ず加入するようにと注意されていました。
ESTAとはアメリカに入国する際に必要な申請です。ビザの代わりになるそう。
コロナ関連も含めていろいろと準備が必要だったので事前に念入りに確認をしておくべきです。時期、国によっても必要書類・申請等は違うため、国の各省のサイトを確認する必要があります。
8,9月 発表準備
8月下旬に運営より学会のスケジュールが送られてきました。そこで私が発表するセッションが判明し、同時に他発表者がどのような発表内容なのか・専門分野は何かを確認しました。どんな方が聴いているか把握し、その方たちに理解してもらう資料を作成する必要があるため、同セッションのメンバー把握は重要だと思います。
発表資料を作成した後は、英語での発表練習を行いました。英語は得意な方ではなかったため、アクセントの練習や質問対策は念入りに練習しました。
18分の発表のうち、5分程度は質疑応答の時間を取りたかったため、13分で発表を終えられるようスライドの枚数は13枚程度、バックアップスライドは10枚程度用意していました。質問対策はもう数え切れないほど行いました。
9月 出発
初日
初日は移動日です。家から成田空港まで向かい、11時間かけてロサンゼルス空港へ。後日学会費用を申請するために領収書をもらうのを忘れてはいけません。航空券の半券も必須。
9月6日の14時に出発して6日の9時に着くというなんとも不思議な体験をしました。その日は学会会場へ向かい、ホテルへチェックイン。夕飯は学会が用意してくれたチケットを使って、食堂のような場所で食べました。
二日目
いよいよ学会開始。朝の8時から始まります。最初に1時間著名な方のプレゼンを聞き、その後各セッションに移動します。流暢にこなされる発表・質疑応答を聞き、ますます緊張しました。夜は翌日の発表に向けて最終練習をしました。
三日目
朝一で私の発表だったため緊張で全然寝れませんでした。
しかしいざ発表が始まると全く緊張せず、いつもの自分らしい発表ができた気がします。質問者は全部で3名、すべて聴講者から頂けたので個人的には嬉しかったです。発表によっては質問がなく座長が一つだけ質問して終わるようなものもあったので。
質問内容はすべて質問対策に含まれているものでした。なので比較的すらすらと答えられたと思います。改めて事前準備の大切さを実感しました。
発表の際にはタイムキーパーのような人はおらず、大体の時間で区切られていました。なので日本の学会ほど時間にシビアになる必要はないかと思います。
四日目
学会最終日、既に発表を終えていたため気軽な気持ちで臨むことができました。
学会後
学会後は奨学金の申請準備をしました。領収書や成果報告書の準備をする必要があります。
僕が申請したKLL奨学金は学会後一週間以内という期限があったため、なるべく早く準備し、提出を行いました。
*学会を通じて*
まず第一に感じたことは、世界の人が自分の研究に興味を持ってくれることは嬉しいということです。発表終わりには声をかけてくださる人もいて名刺交換までしました。
国際学会という数少ない機会を活かすために積極的な交流ができてよかったと思います。
*最後に*
この記事を読んでいる方の中には私と同様に国際学会に不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。個人的には何とかなる精神が重要だと思います。
英語も、伝わらなかったらどうしようというより、なんで私の英語が伝わらないんだというメンタルを作っていました。これから国際学会に参加される方、頑張って下さい。
さいごに、今回の国際学会への参加にかかった費用は40万円程でした。私は奨学金と研究室の補助を利用させてもらったので大体の金額は返ってきますが、最初は自分で建て替える必要があるため大変でした。
学会の開催場所にもよりますが、余裕がない方は事前に教授と相談されるのが良いと思います…
KLL奨学金に関してですが、コロナ禍ということもあり海外保険代も支給対象でした。そのほか、参加費に含まれるバンケット費、PCR検査費、ESTA申請代も支給対象です。タイミングによってこれは異なる可能性があると思うので、参考程度にしてください。
木村
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