2024年11月6日水曜日

分子化学専修の中間発表の様子(木曜担当 近藤)

こんにちは!

ラーニングサポート木曜担当の近藤です。
  • 化学系の授業で困っている
  • 学校生活について相談したい
という方は、是非お気軽にお声掛けください!

【毎週木曜14:00-15:30 理工学メディアセンター本館1階レファレンスデスク】

にてお待ちしております。

************************

今回の記事では、分子化学専修で7月に開かれた中間発表の様子をお届けしたいと思います。中間発表とは、修士2年の学生たちが修士論文の執筆に向けて7月時点での自分の研究状況を発表する場のことです。ちなみに、分子化学専修というのは研究領域を表す区分のことで、学部生で言うところの「数理科学科」「機械工学科」のようなものです。例えば私の場合、理工学研究科基礎理工学専攻分子化学専修の学生ということになります。

中間発表の様子をお届けするとは言ったものの、中間発表参加者には守秘義務があり、中で知った学術的な情報をお話しすることはできません。中間発表に際してどんな準備をし、当日どのように発表したか、という催し全体の流れや雰囲気を中心にお伝えします

1. 中間発表の概要

日時・場所:7月中旬
ショートプレゼンテーション
厚生棟中会議室 12:45 - 13:45
ポスター発表
創想館マルチメディアルーム 14:25 - 17:10

発表形式
ショートプレゼンテーション
発表時間:1分30秒
発表データ:スライドは2枚以内
ポスター発表
発表時間:2グループに分かれて以下のスケジュールで行いました。「教員への説明時間」には、当該グループの発表学生と教員のみが参加でき、「閲覧時間」には、分子化学専修に所属する研究室の学部四年生・修士学生・博士学生・研究員が参加できます。
グループA:14:25 - 14:55(教員への説明時間)14:55 - 15:40(閲覧時間)
グループB:15:55 - 16:25(教員への説明時間)16:25 - 17:10(閲覧時間)
ポスターサイズ:A0

2. 準備期間

発表当日までに行ったことは以下の4つです。

  1. ポスターのストーリーを考える
  2. ショートプレゼン用の資料を作る
  3. ポスターを作る
  4. ショートプレゼンの練習

一つずつ説明します。

最初に、一番楽で、一番締め切りの早いショートプレゼンの資料作りから始めようとしたのですが、研究室の先生に止められました。ショートプレゼンはポスター発表の宣伝的位置づけなので、メインのポスター発表の全体像が決まっていなければ、どの部分を抽出してアピールするべきか判断できない、と。そりゃそうだ

というわけで、ポスター発表の流れ(ストーリー)を書くことから始めました。伝えたいことを書き出し、論理的に伝わる順番で並べます。伝えたいこともそれを示すための計算結果も揃っていたので、ストーリーはスラスラ書けました。しかも、過去に学会で行ったポスター発表の内容が流用できそうだったので、新しく考えなければならないことはあまりありません。

サクッと作って先生に見せたところ、こう言われました。

このイントロじゃ伝わらない。

私が過去に参加したのは理論化学の学会で、聞き手は私と近い分野の研究者ばかりだったので、イントロを細かく必要はなかったのですが、中間発表にいらっしゃる先生方のほとんどは理論系ではなく実験系の研究者。前提知識にギャップがあるので、学会発表のポスターと同じストーリーでは伝わらないというわけです。

私は浅はかな考えを捨て、イントロ部分を厚くしたストーリーを練り直し、無事先生からOKをもらいました。

ポスターのストーリーが決まったら、次はショートプレゼンの資料作りです。スライド2枚に発表内容をまとめます。構成としては、スライド1枚目に研究背景と目的を、スライド2枚目に代表的な結果1つとそれに関する簡単な考察を載せました。

たった2枚のスライドなので、1日とかからず資料はできました。例のごとく、先生のところに持って行ってコメントを頂いたわけですが...

1枚目のスライドの字が多い(by 先生)

ついつい文字で説明したくなってしまう癖が私にはあります。以前にも同じことを指摘されたので、今回は気を付けて図も使っていたのですが、それでもまだ字が多かったようです。スライド1枚目はイントロにあたるので、研究対象を映像的にイメージ出来るようにスライドを作らないといけない、とのことでした。

私の研究対象は「水-空気界面の水分子の運動」なので、水面の写真(ネットで公開されている利用許諾のいらない写真)と水分子のモデルが運動している画像(こちらは自作)を組み合わせて利用しました。水面の写真が綺麗だったので、研究対象をイメージしやすくなったのは勿論のこと、スライドの見栄えが大変良くなりました

ショートプレゼン資料に載せた図.
水面の写真の著作者:rawpixel.com 出典:Freepik


ショートプレゼンの資料が完成し、いよいよメインとなるポスター作りに入ったのですが、こちらは意外と苦労しませんでした。既にストーリーが固まっているので書くことがはっきりしていましたし、研究結果や考察の部分については以前作ったポスターの資料を流用することも出来ました。

ポスターが完成した後、ショートプレゼンの練習を始めました。「メインのポスター発表の練習をしなくていいの?」と思われたかもしれませんが、私は自分の研究に関する話であれば、そこそこ出来る自信がありましたし、学会で行った発表と内容が被る部分もあったので、ポスター発表については不安視していませんでした。

逆に、ショートプレゼンについてはメチャクチャ不安でした。というのも、発表時間が1分半しかないのです。1分半という時間はかなり短く、言葉に詰まってしまうと、言いたいことを言い切る前に発表時間が終わってしまいます。つまり、ショートプレゼンは台本丸覚えが前提となる発表なのです。

私は台本を覚えるためにシャドーイングを行いました。シャドーイングとは、簡単に言えば、聞こえてくる音を復唱することです。具体的には、以下のような流れです。
  1. 台本を読み上げる自分の声をスマホで録音
  2. 録音音声を聞きながら、台本を読み上げる
  3. 慣れてきたら台本を見ずに、録音音声を追いかけるように復唱
シャドーイングができない時にも録音音声は聞き続けるようにしていました。とにかく、「聞いて」「声を出す」ことで音を自分の頭に沁み込ませます。

この練習法の良いところは、単に台本を覚えやすいというだけでなく、音のテンポも覚えられるところです。この手の発表でありがちなのが、緊張して早口になること。シャドーイングでは台本を文字ではなく音で覚えるので、緊張しても元の録音音声に近いスピードで発表が行えます。

その分、録音音声の作成には気を遣いました。スライドのページを切り替えるタイミングの「次のページお願いします」という掛け声も録音しました(ショートプレゼンでは、スライドの操作は自分で行うのではなく、係の先生にやってもらう)。

英語学習において効果的と謳われるシャドーイングですが、日本語を覚える上でも有効で、数日で台本をそらんじられるようになりました。ちなみに、発表後も1カ月くらいは台本が頭から離れませんでした(笑)

3. 発表当日

ショートプレゼンは昼の12:45から厚生棟中会議室で行われました。院と学部では分野の区分が異なっているので、分子化学専修には化学科の先生と応用化学科の先生がいらっしゃいます。化学科出身の私は応用化学科の先生や学生のことをほとんど存じていないので、会場に来ている人の半分くらいとは面識がありませんでした。そのような状況下で、丸暗記した発表台本をミスなくそらんじなければならなかったので、めちゃくちゃ緊張しました。

ショートプレゼンの発表自体は多分上手くいったと思います。"多分"という曖昧な表現になっているのは、緊張で細かい記憶がないからです。ただ、そんな状態にあっても、口が勝手に動いていたことは覚えています。これぞシャドーイングパワー。それから、もう一つ覚えているのは、レーザーポインターの電池が途中で切れたことです。レーザーポインターは自前で用意する必要があったので、研究室のポインターを借りて持ってきていたのですが、どうやら電池がギリギリだったようです。途中でポインターを使うことを諦めました(幸い、ポインターがなくても何とかなる内容だったので致命傷は避けられました)。皆さんも大事な発表前にはポインターの電池を交換しておきましょう。何はともあれ、同じ研究室のメンバーから「発表良かったよ」と言ってもらえたので、表面上はつつがなく発表できていたようです。

全員(約30人)のショートプレゼンが終わった後、ポスター発表のセクションに切り替わります。ポスター発表はグループAとグループBに分かれて行われますが、私はグループAだったのであまり時間がなく、すぐ会場にポスターを貼りに行きました。創想館マルチメディアルームがどこか分からず迷子になるというトラブルはありつつも、発表時間前にポスターを貼り終え、先生方がいらっしゃるのをドキドキしながら待つことになりました(ちなみに、創想館マルチメディアルームはメディアセンターがある棟の地下2階でした)。

ポスター発表には「教員への説明時間」が設けられているので、先生が一人も聞きに来ないということはあり得ません。空いているポスターがあったら、先生も気を遣って聞きに来てくれます。私としては、先生方からどんなツッコミが飛んでくるか分からなかったので戦々恐々としていましたが、実際には思ったほど怖くありませんでした

ツッコミ以前の問題として、私の発表があまり伝わっていなかったということもあると思います。物理化学系の先生からは色々と質問を頂きましたが、有機化学系の先生はあまりピンと来ていない様子でした。先生からOKが出るくらいにはイントロを厚く作ったつもりでしたが、それでもまだ十分ではなかったようです。色々と反省が残りました。

一方で、研究が伝わった時の嬉しさったらありません。これは個人的な事情ですが、研究室内に私と近いテーマの人がほとんどいないので、私の研究の話は同じ研究室のメンバーにすらあまり伝わりません。これまで一人で黙々と研究を進めてきたのですが、やはり自分の研究を他人と共有できないのは寂しいものです。そんな状況でしたから、表面化学の先生に興味を持って頂いたときには、嬉しすぎてポスターに書いていない裏の工夫や苦労話までしてしまいました。

結果的に私のポスターには先生4人、学生3人が来てくれました。なかなか盛況で発表し甲斐があり、楽しかったです。ポスター発表で舞い上がっていたのは私だけではなく、発表者は皆生き生きとしていました。先生方も興味深そうに聞いていて、会場全体に活気がありました。一方で、私と同様に、研究分野の違いによるディスコミュニケーションは色々なところで起こっていたようでした。

ただ、今思い返してみると、研究分野が違うからこそ発表しやすかったのかもしれません。なぜなら、質疑応答において、発表学生が主導権を握れるからです。学会では、発表学生よりも聞き手の先生の方がその分野に詳しいということはよくあるので、非常に高度な質問が飛んできて学生側がついていけなくなる、ということが結構あります。中間発表は、そういった事故が起きにくい環境だったので、学生が伸び伸び発表しやすい雰囲気がありました。

4. 最後に

中間発表は準備が大変でしたし、ショートプレゼンも緊張しましたが、全体を通して見ると楽しかったです。そんな中間発表の雰囲気が少しでも皆さんに伝わっていたら幸いです。

また、中間発表は修論執筆前に他の研究室の先生からご意見を頂く貴重な機会です。私の場合、実験系の先生がどんなことに興味を持ち、どれくらい理論研究について理解しているかを肌で感じることができました。

私にとって中間発表は、他分野の研究者との交流が如何に重要であるか実感できる機会となりました。


近藤


------------------------------







理工学研究科の院生スタッフが自身の経験をもとに、学習や研究・進路に関する質問・相談に応じます。

授業の課題や試験に向けての学習相談はもちろん、学科分け、研究室選び、大学院進学、就職活動などの進路相談にも、経験豊富な院生スタッフが親身になって相談に乗ります。ぜひお気軽にご相談ください。

日吉キャンパスの1・2年生も相談できます! オンラインでも相談できます!

-----------------------------


2024年11月5日火曜日

初心者向けMATLABの使い方(水曜担当 谷尻)

みなさんこんにちは!

毎週水曜日12:30~14:00のラーニングサポートを担当する谷尻です。

皆さんのお役に立ちたいと考えております。

”機械系の授業で分からない部分がある”

”機械科の履修を相談したい”

”機械科の研究室について知りたい”

という方はお気軽にご相談ください!


2024年11月4日月曜日

教職課程のすゝめ (水曜担当:能登)

皆さんこんにちは!

毎週水曜 14:00~15:30 でラーニングサポートを担当している能登です。

今日は教職課程について書きたいと思います。

私は学部4年間で教職課程を履修し、卒業時に中学と高校の教員免許の申請資格を得ました。実は昨年、免許の申請をすっかり忘れ、まだ免許が手元にないのですが……(泣) 今は申請さえすれば免許が手に入る状態です。

教職課程って、具体的にいつどんな勉強をするの?周りに教職を取っている人が少ないので、履修したときの時間割などがイメージしにくい。教職課程と学部・学科の勉強と両立できるのか不安………。

こういったことに悩んで、教職に興味はあるけれど教職課程の履修を迷っている人もいるのではないかなと思います。

そこで今回は、私自身が学部時代に教職課程を履修していた経験を踏まえ、教職課程の概要や勉強の内容・実習などについて簡単にお伝えしたいと思います。

ーーーーーーーーーーーー

1.教職課程とは

 教職課程とは、中学または高校の教員になるために必要な「教員免許」を取得するために履修する課程のことを言います。学校の先生になるためには教職課程で指定された単位を取っていることが必須であり、その単位には実習も含まれます。

 「小学校の先生にはなれないの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、小学校の教員免許を取得するにはより専門的な学びが必要になります。今のところ慶應義塾の教職課程で小学校教諭の免許を取得することはできません。

2.教員免許について

 一口に「教員免許」と言っても、その種類は多岐に渡ります。

 まずは学校の種別です。中学の免許なのか、高校の免許なのか、どちらの免許が取れるかは履修した単位数によって異なります。ただ、どちらの免許も必要な単位の大部分が被っているので、両方まとめて取得する人が多い印象です。

 また、教科でも免許は分かれています。取得可能な免許の教科は、自身が所属する学部学科で決まります。例えば私が所属する理工学部化学科だと「理科」の免許しか取れません。複数の教科に挑戦できる学科もあるみたいなので、興味があれば調べてみて下さい。

3.教職課程の流れ

 慶應義塾では、学部2年生から教職課程を履修できるようになります(一部科目は1年生で先取り可)。教職課程の履修はまず教職課程の登録から始まります。この登録が済んでいないと、教職課程の科目を履修することはできません(一部科目を除く)。

 教職課程の履修の完了には、学部学科が設置する科目とは別に、教職課程センターが設置する科目の単位を履修する必要があります。また、法学や体育などの総合教育科目も一部履修している必要があります。かなり細かいので、この辺りは履修案内を参照してください。

 実習などを除き、どの科目をいつ履修するかは特に指定されません。自分のペースで必要な単位を取り切りましょう。

 教職課程修了1年前(多くは3年生)に介護等体験を行い、教職課程の最終年度(多くは4年生)に教育実習に行きます。実習については後で詳しく述べます。

 全ての単位が修得できれば無事に教職課程履修完了です。免許の申請を忘れなければ、卒業と同時に教員免許を取得することが出来ます。

 教職課程に登録し、始める時期は人によって異なります。2年生で教職課程に登録する人が大半かと思いますが、1年生の時から早期登録をし、一部科目を受け始める人もいます。また、3年生で教職課程に登録する人、4年生や院生で登録する人ももちろんいますし、卒業後に通信過程で教職を履修しているという方にもお会いしたことがあります。ただ、教職課程の履修に必要な期間は最短で2年であり、取らなければいけない科目は割と多いです。油断しているとかなりタイトなスケジュールになってしまうので、登録時期はなるべく早く、余裕を持つことをおすすめします。

4.教職課程の科目について

 教員免許の申請のために履修が必要な科目群は、「教職に関する科目」「教科に関する科目」「教科教育法」「大学が独自に設定する科目」「総合教育科目」と5つに分類されています。それぞれ修了に必要な単位数など、詳しいことを知りたい方は↓こちらを参照してください。

教職課程センターHP [教職課程の科目の履修]

https://www.ttc.keio.ac.jp/curriculum/22a/222a/

 主要な分類についてざっくりと説明すると、下のようになります。

「教職に関する科目」:教科に依らず指導を求められる内容(道徳や生徒指導、特別支援等)や、教師の在り方、教育の方法論などについて学ぶ科目群です。他学部の人とディスカッションする授業や、「教育」について深く考える授業が多いです。

「教科に関する科目」:その教科についてより正確な、専門的な知識を得るための科目群です。学部学科専門科目もいくつかここに含まれています。私は理科に関する科目を取っていたので、学部学科専門科目(物理学A~Dや化学科の設置科目)の他に生物や地学の授業を履修する必要がありました。

「教科教育法」:具体的にどのように授業を展開するのか、指導案の作成や模擬授業を通して学び、身につける授業です。実験や校外学習での注意点や授業展開について考える場面もありました。

教職課程の科目は全体的にディスカッションが多く、様々な人の意見に触れることが出来ます。一口に教育と言ってもその形は様々であり、考えさせられることがたくさんあります。今まで当たり前のように受けていた学校教育ですが、そこには様々な工夫があったのだと気づく機会にもなりました。色々な科目が設置されていますので、余裕があれば多めに授業を受けてみても良いかもしれません。

5.実習について

 教職課程で行う実習は2つあります。「介護等体験」と「教育実習」です。

 介護等体験は、特別支援学校や社会福祉施設などで7日間体験するものです。通常は教育実習に行く前年(大半は3年生)に体験へ行きます(理工学部など、実験や学科の科目で余裕がない人は4年生で行くことを勧められます)。私の時はコロナの影響でオンラインでの代替措置が取られていました。今はどのようになっているのか分からないので、教職課程センターのホームページで確認してみて下さい。

 教育実習は、教職課程最終年度に行う実習のことです。自分の母校を訪問して実習許可を取り、受け入れてもらうことが殆どです。稀に許可を貰えず公立の学校へ行くことになったり、慶應の中高へお邪魔するという話も聞きます。実施する時期は春~夏が多い印象ですが、実習校によって異なるので早めに確認することが必要です。中学の免許取得を目指す人は3週間以上、高校の免許取得を目指す人は2週間以上実習へ行きます。

 実習の内容は人によって様々ですが、指導教員のもとで指導案を作成し、実際に授業をし、その反省をしてまた次の授業の指導案を作る…という流れです。クラス担任の代行を任せられ、朝礼や終礼、給食や掃除を生徒と一緒にやる場合も多いです。

 教育実習は、実際の学校現場に触れられ、現職の先生方の経験、指導のコツなどをたくさん聞けるチャンスです。私は自分の母校へ行き、1カ月間化学の実習をしてきました。指導教員の先生にはいろいろとご指導いただき、実習期間中に開催された文化祭には教員側として参加させてもらうことも出来ました。慣れないことばかりで大変でしたが、自分が高校生だったころには意識できなかった学校の仕組みや教員の仕事が垣間見え、とてもいい経験ができたと思っています。

 もしこれから教育実習に行く人がいたら、全力で頑張ってきてください!

番外編.専修免許

 皆さんは「専修免許」をご存じでしょうか?

 専修免許とは、「通常の教員免許(一種免許と呼ばれるもの)の取得に必要な単位を修得している人が、大学院修士課程の科目のうち教職課程センターに指定されている科目を24単位以上取得した状態で修士の学位を取得した場合」に得られる免許のことです。つまり簡単に言うと、「学部時代に教職課程を修了した人が大学院に入って指定された科目を履修すれば、教員免許のグレードアップが叶う」という感じですね。実習などは必要なく、座学の必要な単位が足りていれば取れる免許です。

 専修免許は教科に対して専門性の高い知識や経験を持っているという証拠になります。教職課程も大学院進学も両方考えている人は是非チャレンジしてみて下さい。研究との両立が大変な面もありますが、授業自体も自分の研究に近い専門科目をとるようにすればかなり勉強になります。ただ、単位数が多いので無理はせず、研究室との兼ね合いを見ながら取得を検討するのが良いでしょう。

ーーーーーーーーーーーー

 以上が、教職課程についてのお話になります。これまでのお話に出てきた内容でも、これら以外の内容でも、「教職課程について悩み・不安がある」「もっと詳しい内容が知りたい・相談したい」という場合は、是非ラーニングサポートのデスクまでお越しください(*^^)

 長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!


能登



------------------------------







理工学研究科の院生スタッフが自身の経験をもとに、学習や研究・進路に関する質問・相談に応じます。

授業の課題や試験に向けての学習相談はもちろん、学科分け、研究室選び、大学院進学、就職活動などの進路相談にも、経験豊富な院生スタッフが親身になって相談に乗ります。ぜひお気軽にご相談ください。

日吉キャンパスの1・2年生も相談できます! オンラインでも相談できます!

-----------------------------



2024年11月1日金曜日

GD最強攻略 ~就活編~(書記:前半)(金曜担当 江藤)

 新川崎駅は全く川崎駅に近くない!

どうも金曜担当の江藤です。

今日は就活の本番でグループディスカッション(GD)を全勝した私が、各役割ごとのGDの極意を語っていこうと思います。

③書記

自分の議事録作成能力を面接官にアピールできる、仕事内容がわかりやすいので取っ掛かりやすいといった理由でGDにおいて就活生に人気な役職である書記。

書記として議事録を作ることは簡単だと思っていませんか?

社会人最初に身につける仕事といわれる議事録作成。就活をこえた先の社会人が最初に行う仕事である議事録作成はそもそも簡単なわけないですよね。というわけで今回はなぜ書記の難易度が高いのかについて解説していきます。

Ⅰ 議事録をつくることは難易度が高い

議事録を作ることはそもそもとても難しいです。なぜなら議事録を作成するには次の三つの能力が必要だからです。

1.理解力

書記は議論の内容を正確に理解する必要があります。今どういった話で議論が進行しているのか?発言者は何を言っているのか?このような問いに対して議論をリアルタイムかつ正確に理解する能力が求められます。

2. 文章作成力

書記はGDに参加している誰もが見ても内容が理解できるような文章を作成しないといけません。議事録は議論を振り返るときなどに用いられるので、内容を理解できない文章を書いてしまうと、メンバー全員を困らせる結果になってしまいます。さらに、この文章作成は普通に作文を作るよりもはるかに難易度が高いです。作文はいくらでも時間をかけてつくることができますが、議事録には時間との戦いがあります。そのため常に時間に追われながら文章を作成しなければなりません。

3.マルチタスク力

書記の仕事はただただ議事録を作るわけではありません。議事録を作りながら他のメンバーと同様に議論を進めるための話し合いをする必要があります。そのため高度なマルチタスク力が求められるのです。

Ⅱ 書記はアピールがしにくい

企業によってはせっかく作った議事録を提出できない場合があります。つまり自分がGDで時間をかけて作った成果物が評価されない事態になってしまいます!そうすると他のメンバーと同様の評価になってしまいます。

以上の記事を読んだあなたはきっとこう思ったにちがいありません。書記はやるのやめとこうと。その考えは早計です。実は書記には他の役割ではできない最強の立ち回りがあります。その最強の立ち回りを後半のブログで伝授したいと思います。


------------------------------







理工学研究科の院生スタッフが自身の経験をもとに、学習や研究・進路に関する質問・相談に応じます。

授業の課題や試験に向けての学習相談はもちろん、学科分け、研究室選び、大学院進学、就職活動などの進路相談にも、経験豊富な院生スタッフが親身になって相談に乗ります。ぜひお気軽にご相談ください。

日吉キャンパスの1・2年生も相談できます! オンラインでも相談できます!

-----------------------------


2024年10月31日木曜日

研究室見学質問集(火曜担当 下永)

 
こんにちは、ラーニングサポート火曜担当下永です!
化学系の授業内容や履修・研究室選びで悩んでいる方はぜひ、
火曜14:00~15:30の理工学メディアセンターレファレンスデスク
へお越しください!

————————————————————————————————————

化学系の3年生の方々は研究室選びのために研究室見学をする時期になってきましたね。そこで今回は、研究室見学で必ずしたい質問を5項目に分けてまとめました!「研究室見学で何を話したらいいかわからない..」「色々聞きだしたいけどどう質問したらいいの?」という方に必見の内容になっているので是非最後までお付き合いください!

①研究室の雰囲気
・作業中は賑やか? / 静か?
研究室にいる時間の大半は、もちろん研究を進めるための作業時間になります。「みんなでわいわい」なのか「個人でもくもく」なのか、自分に合っている研究室を選びたいですね。
・居室によって雰囲気が違う?
研究室によっては居室や実験室が複数あることがあります。その部屋の目的やメンバーによっては同じ研究室でも雰囲気がガラッと変わることも。
・学生同士どれくらい一緒に行動する? / ご飯や飲みはどれくらいの頻度でいく? / 研究室メンバーで休日に遊びにいくことある? / 合宿とかある?
学生同士の距離感や仲の良さは研究室によって本当に大きく変わります。個人的に「休日に研究室メンバーと会うか会わないか」は学生同士の距離の指標になると思っています。

②先生の雰囲気
・進捗報告や輪講、研究室内発表での先生はどれくらい厳しい?
進捗報告や輪講、研究室内発表では基本、どの先生でもある程度厳しさをもって接してくださります。ただし厳しさの度合い・雰囲気は先生それぞれなので、前もって知っておくと安心でしょう。
・普段先生と どれくらい / どんな コミュニケーションとる?
居室の居心地は、研究室メンバーだけでなく先生との距離感も関わってきます。学生と先生の間で普段どんな会話をするのか聞くだけでも、居室での生活が想像できると思います。

③研究内容 / 研究の進め方

・実験系?計算系?
実験系であれば研究室へ行くことが必須ですが、計算系であれば研究室へ行かずとも自宅で研究が進められます。研究室によっては「実験系のテーマだけ」「計算系のテーマだけ」「実験系のテーマと計算系のテーマどちらも」扱っていることがあります。事前に聞いて、自分の生活に合う研究室を見つけておきたいです。
・研究方針は自分で決める?先生が決める?
先生によっては研究方針を学生に任せることもあれば、先生と一緒に考えて決めたり、先生の考えに沿って決めたりすることもあります。どの場合でも一長一短あり、合う合わないは人それぞれだと思いますのであらかじめ聞いて確認しておきたいです。

➃研究室の忙しさ
・コアタイムは? / 実際どんなスケジュールで動いてる?
コアタイムについては気になる方が多いと思いますが、コアタイムと実際のスケジュールとは大きくずれていることがあります。研究室メンバー間でも実際のスケジュールは異なることがあるので、複数人に聞いておきたいです。
・アルバイト / 部活動 / サークルやってる人いる?
研究室に所属するにあたって、私生活との両立を心配する人が多いと思います。コアタイムだけでは判断できない部分も多いため、実際のスケジュールと一緒にアルバイトや部活動などと両立している先輩がいるか聞くとよいでしょう。
・進捗報告や研究室内発表、学会発表、論文投稿はどれくらいの頻度で行われる? / どんな資料作ってる?
研究を進める上での目標は、「進捗報告 / 研究室内発表 / 学会発表 / 論文投稿」などが挙げられます。これらの中間目標に向けて研究を進めるだけでなく資料作成や発表練習など行うため、頻度が多いと忙しさも大きく変わります。また作成した資料の分量やクオリティを見ることで、研究への打ち込み具合を感じることができます。


➄就活との兼ね合い / 姿勢
・就活と研究室は両立できた?
研究室によっては就活の時期と研究室内発表・学会発表などがかぶってしまい、大忙しになることもあります。就活を終えているM2に当時のスケジューリングを聞いてみるとよいでしょう。
・同期や先輩・後輩で協力して就活する?

こちらは研究室内の雰囲気にもよりますが、研究室同期で就活の情報を話し合ったり、就活を終えた先輩から後輩へWEBテストやエントリーシート、面接などの要点をまとめた資料が渡ったりなど、研究室内で協力して就活に取り組むところもあります。

以上5つの項目で、研究室見学で使える質問をまとめさせていただきました。皆さまの研究室見学・研究室選びに役立ていただければ幸いです!

ここまでお付き合いくださりありがとうございました!

下永

2024年10月22日火曜日

研究室選びのポイント(応用化学科の場合)(火曜担当 竹内)

 こんにちは🌞

ラーニングサポート火曜12:30~14:00担当の竹内です。

今回は応用化学科の研究室分けについて書こうと思います。

自分に合った研究室を選ぶ手助けになれば嬉しいです!


応用化学科の研究室配属のシステムは以下の通りです。

・第1~3希望まで提出する

・第1希望は成績と志望理由書で決まる

・第2希望以降は成績のみで決まる

※ただし2022年度の場合なので、今年度以降変更される可能性もあります。


ここでは、私が第1~3希望の研究室を決める際にチェックしていたポイントと、材料化学研究室(今井・緒明研究室)を選んだ決め手について紹介します🖊


⓪研究室見学

まずは研究室見学に行って、教授や学生の雰囲気を知ることが大事です!!

私は興味のある研究室がそれほど絞れていなかったので、友人を誘って幅広く見学に行きました。

周りの友人は、おおよそ無機か有機か志望を決めていて、それに合わせて3~4か所見学に行っていたように思いますが、私は全15研究室のうち9か所見に行ったので多い方です。
でも、それぞれ雰囲気が違っていて面白かったのと、研究内容や実験の様子を見せてもらえる貴重な機会だったので、色々見に行って良かったと思っています。

応用化学科の場合、研究室配属後は生活の中心が研究室になるので、修士課程まで考えていた私は「3年間ここでやっていけそうか」を大きな軸として考えていました。

以下で研究室見学の際に確認していたポイントを5つ紹介します!

もちろん優先事項は人それぞれなので、参考程度にしていただけると幸いです。


①教育実習に理解があるか

私は教職課程を履修していたので、学部4年で3週間教育実習に行くことが決まっており、その間は研究室を休まなければならない点に理解があるか確認していました。

教育実習を予定していることを伝えると「もちろん行ってきてください」というところもあれば、「今まで一人もいなかったんだよね」というところもあり、反応は様々でした。

教育実習に行かせてもらえないことはないと思いますが、これだけでも指導教員の雰囲気がわかったので、教育実習も応援してもらえそうなところに絞って考えることにしました。


②コアタイム・長期休みの期間

応用化学科のほとんどの研究室ではコアタイムというシステムがあり、例えば
「月曜から金曜の10時から18時は研究室で研究を進めましょう」
というように、拘束時間が決まっています。

研究室によっては土曜日にもコアタイムがあったり、フレックス制があったり、拘束時間の長さや自由度は様々です。

また、長期休みについても、夏休み期間が1週間のところもあれば1カ月のところもあり、研究室ごとに異なります。

配属されてから「思っていたより休みがない/拘束時間が長い」ということがあると辛いので、直接確認するのをおすすめします!


③院進・就職の割合

就職する人が多い(就活に理解がある)のか、修士課程に進む人が多いのか、についても研究室によって様々です。

私は修士課程に進む仲間が多い方が良いなあ~と漠然と思っていたので、その点についても先輩や教授に聞いていました。


➃実験環境

研究を進めたり、研究室で長い時間を過ごしたりする上で、実験室や居室の環境、設備の充実度も大事です!

材料化学研究室は、居室(ご飯を食べたりPC作業をしたりするための部屋)と実験室が分かれていたことも魅力的でした。


➄メンバーの雰囲気

最終的に研究室を決める上で一番重要視したのが、先輩や教授の雰囲気でした。

3年間頑張る上で、自分に合った雰囲気のところに入りたいと思い、研究室見学の際に先輩とお話しして雰囲気を確認していました。

見学のとき「同期は選べないけど先輩は選べるよ」と言われたのを覚えています。

研究テーマは個人個人で違っていても、基礎知識や実験装置の使い方などを教わる上で先輩と関わる機会はたくさんありますし、師弟制度(先輩とペアで研究・実験を進める制度)を採用している研究室も複数あります。

自分が馴染めそうな雰囲気のところを選ぶことはとっても大事です!!



ここまで長々と書いてきましたが、これらのポイントを総合的に判断して、

・教育実習への理解があり、教授が教育活動に積極的である

・時間の使い方にある程度の裁量性がある

・実験環境・雰囲気ともに自分が心地よく過ごせそうな雰囲気がある

ことから材料化学研究室(今井・緒明研究室)を第一志望に選びました。

今振り返っても、自分にとって良い選択だったと感じています。



~最後に~

希望の研究室に行けるか不安な方も多いと思います。

志望理由書の提出前には何度かアンケートがあり、どこの研究室に何人希望者がいるか・GPAはどれくらいか、学年で共有されていました。

自分の行きたいところが人気だったりGPAが高かったりすると不安になると思いますが、
アンケート結果は参考程度にして、少なくとも第一志望は譲らないことがおすすめです!(全員がアンケートに素直に答えているとも限りません。)

もし悩んだり迷ったりしたことがあれば、お気軽にラーニングサポートデスクまでご相談にいらしてください。

みなさんが希望の研究室に入れることを願っています☆


------------------------------







理工学研究科の院生スタッフが自身の経験をもとに、学習や研究・進路に関する質問・相談に応じます。

授業の課題や試験に向けての学習相談はもちろん、学科分け、研究室選び、大学院進学、就職活動などの進路相談にも、経験豊富な院生スタッフが親身になって相談に乗ります。ぜひお気軽にご相談ください。

日吉キャンパスの1・2年生も相談できます! オンラインでも相談できます!

-----------------------------



研究室選びのポイント(応用化学科編)(月曜担当 山本)

こんにちは 🍨

2024年度月曜 14:00~15:30 担当の山本です。

今回は、自分自身の体験をベースに研究室選びのポイントをご紹介できればと思います💬


3年の秋学期になると、皆が研究室選びにそわそわしだします。

学科内では 「どこの研究室気になってる?」 という会話もちらほら……


現時点では行きたい研究室が決まってないという方も問題ありません〇

このブログで、まずは研究室選びのイメージを掴んでもらえれば嬉しいです!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目次

        Ⅰ 研究室配属の基本情報 ※2022年度の場合

        Ⅱ 研究室選びのポイント

        Ⅲ 私の体験談

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Ⅰ  研究室配属の基本情報 ※2022年度の場合

第1~3希望 まで提出する

・第1希望は 成績 と 志望理由書 で決まる

・第2希望以降は 成績 のみで決まる

※あくまでもこのときの研究室配属の基準なので、今年度以降変更になる可能性はあります


Ⅱ 研究室選びのポイント


~自分の中で質問リストを作ってみるべし~

先生方や先輩に どうしても聞きたい! というポイントをあらかじめ考えておくと見学の際にスムーズに質問できます。

私は質問したことや見学の感想を スプレッドシート に書き込んで他の研究室と比較していました。


~研究室に所属する学生と話してみるべし~

見学では、所属している学生と話す機会もあります。

実際に研究室に入ったときに関わることになる先輩(B4, M1)と直接話すことで、 研究室の雰囲気 を目の前で感じることができます。


~友人と協力するべし~

研究室見学は複数人で行くことが多いため、 友人との協力 をおすすめします。

私も様々な友人と色々な研究室に見学に行きました。

興味のない研究室でも、友達について行ったら実は面白かったということも…!


Ⅲ 私の体験談

私がなぜ 材料化学研究室(今井・緒明研究室) を第1希望にすることとしたのか、簡単にお話しできればと思います。


最初は、「有機系の研究をしたい!」 でした。

先輩から3年生の授業では 「取りたいと思う授業=行きたい研究室の分野」 だよと言われていたこともあり、有機系のことができればいいなと大まかに考えていました。

実際に、3年の秋学期の授業は有機化学系の授業を片っ端から履修していましたことからも、自分のやりたいことが絞れていたような気がします。


しかし、具体的に行きたい研究室は決まっておらず、とりあえず 無機系以外 の研究室は全部見学しに行ってみようと思いました。

応用化学科で学生が進めるのは全部で 16研究室(外部も含む)あります。

私はそのうち 10研究室 に見学に行きました。

大体の人は3~5研究室くらいのイメージなので、私は行きすぎなくらいだと思います(笑)

先生方から直接研究について聞ける機会 はほとんどないため、たくさんの研究室に見学に行けたのはとても良い経験でした。


最後まで有機化学系の研究室と迷っていましたが、最終的には 志望理由書 がスムーズに書ける研究室をで決めました。

材料化学研究室(今井・緒明研究室)を選んだ決め手は、

    ① 有機化学・高分子化学の材料について研究できるところ

    ② 研究室の先輩方がフレンドリーで話しやすかったこと

    ③ 教授がアウトリーチ活動に積極的であること(=教職に理解がある)

です!


ここには書ききれなかったこともたくさんあるので、研究室選びのことで困ったことや気になることがあれば、是非ともカウンターまでいらしてください!

(オンラインやメールでのご相談も受け付けています ✉)

授業や実験と並行して見学に行くのは大変だと思いますが、悔いのない研究室選びができることを願っております。


山本

------------------------------







理工学研究科の院生スタッフが自身の経験をもとに、学習や研究・進路に関する質問・相談に応じます。

授業の課題や試験に向けての学習相談はもちろん、学科分け、研究室選び、大学院進学、就職活動などの進路相談にも、経験豊富な院生スタッフが親身になって相談に乗ります。ぜひお気軽にご相談ください。

日吉キャンパスの1・2年生も相談できます! オンラインでも相談できます!

-----------------------------