2025年1月9日木曜日

就職か、進学か (水曜担当 能登) 

皆さんこんにちは!

水曜14:00~15:30でラーニングサポートを担当しております、能登です。

今回は修士1年になった私が「就職か、進学か」で悩んだ話をしていきます。博士課程への進学に興味がある、外部の大学院への進学に興味がある、という方の参考になったら嬉しいです。

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今学部3年生の方は、ちょうど研究室配属について決まってくる時期かと思います。それと同時に、学部を卒業した後に大学院へ進学するのか、それとも就職するのかを決断する時期も近づいてきているのではないでしょうか。

修士1年生も悩むことは同じです。大学院修了を1~2年後に控えているため、修士号を取った後にどのような進路へ進むのかハッキリさせなくてはいけません。就職するのか、それとも後期博士課程に進学するのか。私の周りでは就活を始める人がとても多く、私自身も初めは就職するつもりで某大手就活サイトの就活準備セミナーに参加してみたり、企業の説明会に参加してみたりしました。

しかし私が良いと思っていた企業では、最先端の研究を行う職業は博士課程の採用が多いということがあり、就活を続けていいものか迷い始めました。さらには学部4年生の頃から「今の専門についてもっと深く学びたい!」という思いがあったため、博士課程への進学も非常に魅力的な進路に見えてきて、どっちつかずの状態で就活にも進学にも踏み切れずにかなりの期間悩んでいました。やはりこれからの将来を大きく決定づける決断はそう簡単に下せないものですね (^^;

博士課程は卒業まで3年かかるものですが、それは研究が上手くいった場合の話です。多くの場合、博士課程の修了要件には「国際論文の執筆」が含まれています。「2本以上の論文を出していないと修了できない」などもよく聞く話です(大学によっては必要ない所もあります)。これが何を意味するかというと、博士課程は「きちんとした研究成果を出し、それが世界的に認められなければ修了できない」ということなんです。

修士課程までは国際論文を執筆していなくても修了できますが、博士課程で甘えは許されません。研究成果が出ていない場合には修了を先延ばしにし、半年、一年と余分に大学院に身を置く必要が出てくるのです。つまり、博士課程では中途半端な研究はできないため、私は「自分が博士課程に進学して本当にやっていけるのか」と、そのシビアさに気後れしてしまったんですね。もちろん進学するとなれば必死でやるつもりですが……なかなか覚悟が決まらずにいました。

……ということで、「興味はあるが覚悟ができない」という状態で何か月か過ごしつつ、実際に博士課程に進学された先輩や研究室の先生方に相談し、自分なりに情報を集めました。結局、「博士課程にいっておけば良かったと後悔したくない」と覚悟を決めることにしました。

博士課程に進学するとなると、次に考えるのは「内部進学か、それとも外部か」ということです。内部進学するメリットはたくさんあります。例えば、修士の間の研究を引き続き行うことが出来るため、自分が博士の間にやりたいと思う研究の内容と、実際に行う研究の内容の間にギャップが存在しないことが多いです。また、修士の間に解決できなかった研究内容を自分の手で消化することが出来ます。継続した研究を行うことで論文が出しやすくなるというメリットもあるでしょう。大学院入試も外部進学の場合に比べて楽かもしれません。

一方で外部進学を考える場合、まずどこの大学のどの研究室に進学するのかを決めなくてはいけません。学会に参加してみたり、論文をたくさん読んだり、研究室の先生方に相談したりして、自分がやりたい研究が出来る研究室はどこなのか、しっかりと調査する必要があります。この時、やはり早いのは人に聞く方法で、研究室の先生方や先輩、また学会で知り合った他大の学生に話を聞くと、論文や学会などでは分からない側面も含めてアドバイスをもらうことが出来ます。

私は、博士課程では今の研究内容とは少し違う内容の研究をしたいと思っていたので、外部の大学院へ進学する方針で準備を進めました。具体的には、自分のやりたい研究が出来る研究室がどこか、先生方や先輩方に相談して進学先の候補を絞っていきました。

結局、私が進学したい研究室を決めたのは修士1年の11月頃で、その時期に研究室見学に行きました。今は進学予定の研究室がほぼ決まった状態なので、来年の夏にある大学院入試に向けて勉強の日々を送っています。

以上、私の就職か、進学かという一連の悩みとその結末についてお話ししてきました。ここから先は、博士課程への進学や外部の大学への進学について興味がある方向けにどのようなスケジュールで研究室決めをし、研究室訪問へ行くべきなのかという話をしていきます。修士あるいは博士課程で外部進学を考えている方には参考になるかと思います。

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進学か就職かを決断する時期

博士課程に行くかどうかを決めるのは、早ければ早いほど良いです。早く決断すればその分十分な準備ができます。先述した博士課程の修了要件や、博士号取得後の進路などをよく考えた上で進学するかどうかを決めましょう。外部進学をするなら大学院の入試は多くの所で夏に行われているので、出願までに余裕を持って説明会や研究室訪問に行けるよう、博士課程の場合は修士1年の秋、修士課程の場合は学部4年の春までに決断するのが良いと思います。

進学先候補の決め方、訪問の時期

進学先を考える時は論文を読み、他の研究室について詳しい先生や先輩を頼りましょう。ここが良いかも、と思える研究室があれば研究室見学を検討しますが、博士課程からの進学希望で研究室見学に行く場合は、多くても2,3か所に候補を絞っていくことが望ましいです。(たくさんの研究室に見学へ行くと、本当に自分の所へ進学する意思があるのか…?と思われてしまう懸念があります)

外部の研究室への訪問時期は、博士課程の場合は早ければ修士1年の11月~12月、その時期を逃した場合は修士1年の3月頭くらいが無難かと思います。1、2月は卒論や修論の関係で先生や学生が忙しい時期なので避け、また学会などが集中しやすい時期も避けるべきです。修士課程の場合は研究室に入ってすぐ、学部4年生の春先~夏前にかけてなるべく早くに訪問を検討するべきでしょう。入試は夏にあるため、4年生になってからはあまり猶予がありません。少しでも入試まで余裕を持つためにも、早めの行動が大事になりそうですね。

研究室訪問までの流れ

まず大事なのは、自分が今所属している研究室の先生に外部進学することを了承してもらうことです。平日に研究室訪問へ行くとなると、今いる研究室を休むことになるため、指導教員に許可をもらっておくとスムーズです。

外部の大学の研究室を訪問する前には、必ずその研究室の先生にメールでアポを取ります。修士・博士課程から進学を考えている旨を伝え、何故その先生のもとで学びたいと思ったのかを端的に書いた上で見学へ行く日にちを伺いましょう。先生方は多忙を極めているので、日程伺いのメールは訪問希望時期の2週間~1カ月前までに出しておくと安心ですね。

いざ訪問するときは、訪問先の論文を何本か読んで、研究内容を理解した状態にしていきましょう。志望動機や修士・博士課程で研究したい内容もしっかりと言語化して準備しておくことが大事です。訪問先の先生と今自分が行っている研究内容について話し合うこともあるので、研究内容をまとめた資料を持参すると良いと思います。

外部の研究室を訪問する際に最も重要なのは、訪問先の先生に修士・博士課程から受け入れて頂けるかどうかを確認することです。研究室見学の許可を頂いたからと言って、進学を許可されたわけではありません。先生と話す機会に必ず確認しましょう。

研究室訪問後の流れ

進学の意思を決めたら、その旨を先生にメールで伝えましょう。研究室訪問のお礼メールで伝えてしまってもいいと思います。

出願前に確認すべき内容があれば、先生とメール(または電話)でやり取りしながら確認し、出願時期に手違いのないように出願します。外部進学の場合は入試も大変ですから、どんな問題が出題されるのか先輩などに聞いた上でしっかりと勉強して準備をしていきましょう。私も現在絶賛勉強中です。

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以上が外部進学を考える場合のスケジュールでした。少しでも外部進学に興味がある方の参考になれば幸いです。

ここまで長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました!

能登


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