2023年度秋学期ラーニングサポート火曜12:30~14:00担当の浦野です。
理工学メディアセンター本館1F レファレンスデスクにて、月曜~金曜12:30~15:30にラーニングサポートスタッフがお待ちしております。
スタッフの出身学科や研究室などはウェブサイトなどで確認できるので、ご希望のスタッフがいる日時にぜひお越しください。
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今回のテーマはSciFinder-nの使い方です。
有機化学に関わらないテーマの方には無縁かもしれません。すみません。。。
1.SciFinder-nについて
CAS (Chemical Abstracts Service)が提供する文献・物質・反応データベースです。私は自分の合成したい化合物の反応経路を探す際にもっぱら使用しています。同様のことはElsevier社のReaxysでもできるようです。
2. SciFinder-nへのアクセスの仕方
理工学メディアセンターのウェブサイトからアクセスできます。
おすすめデータベースまでカーソルを持って行って、上から10番目にある"CAS SciFinder-n"をクリックしてください。そうすると、Database NAVIに飛び、リンクをクリックするとSciFinder-nのウェブサイトに飛ぶことができます。(上から11番目は"Reaxys")
なお、keio.jpアカウントでのユーザー登録が必要で、登録は学内のネットワークに接続していないとできないので、ご注意を!
一度登録を行えば、以降は学外ネットワークでもログインできるようになります。
*上から9番目にある"Google scholar"も論文検索に大変有用です。是非ご利用ください。
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3. SciFinder-nの使い方
3-1. 化合物の検索
タブの左から2つ目"Substances"ではその化合物のCAS番号や類似化合物を検索することができます。また、その化合物を取り扱っている会社も調べることができます。
まず、以下のように化合物を描いてみましょう。
そうするとこういう風に結果が出てきます。
("ChemDraw"で描いた化合物をそのまま検索できる機能も以前はありましたが、SciFinderのアップデートに伴い、最近はできなくなりました。ChemDrawのアップデートが行われれば再度対応するかもしれません)
"As Drawn"
描いた化合物と全く同じ構造の化合物が検索結果として出てきます。他に出てくるのはアニオン(陰イオン)化したものや重原子に置換したものなど、構造としては全く同じものです。サリチル酸の横に書かれている"69-72-7"は化合物それぞれに付番されているCAS番号です。名称は分からないけど構造は分かる試薬を買いたい方はインターネットやメーカーウェブサイトでCAS番号を使って検索すると簡単に見つけられます。CAS番号でも化合物の検索をすることができます。
"Substructure"
描いた化合物の置換基を他の置換基に変更したものが検索結果として出てきます。イメージとしては描いた構造部分を含む化合物が検索できるといった感じなので、"As Drawn"の検索結果は全て"Substructure"でも出てきます。
"Similarity"
似た構造の化合物を検索できます。置換基の位置が違うものや元素の種類が違うものなどが検索できます。
3-2. 反応検索
タブの左から3つ目"Reactions"では、描いた化合物を原料とした/生成物とした反応検索を行えます。
構造式の右側に矢印を加えてみると、化合物の下に"Reactant(原料)"という単語が出てきましたね。逆に、構造式の左に矢印を加えると"Product(生成物)"となります。こうしてサリチル酸を使った反応を調べたい場合、サリチル酸を合成する反応が知りたい場合どちらにおいても反応検索にて対応しています。
こちらがサリチル酸を原料とした反応の検索結果(一部抜粋)です。
サリチル酸のヒドロキシ基を酸化させてアセチルサリチル酸を合成する反応です。反応に使う溶媒、試薬、触媒、反応温度が表示されているので、実験前の事前準備も簡単です。"Suppliers"をクリックすれば化合物のCAS番号やその化合物を取り扱っているメーカー一覧を調べることができます。また、溶媒や触媒など条件を絞ることも可能なので、調べたい反応が研究室にある試薬で行えるかなどを確認することも可能です。右の"Acetylation of~"はその反応が載ってある論文のタイトルです。事前にしっかり読んで実験の準備をしましょう。しかし、この論文は慶應の認証ではアクセスできません。その場合は
メディアセンターで文献複写の取寄せを利用してみましょう。また、研究活動に使用する場合は研究室から取寄せ料金を負担してもらえる場合があります。事前に指導教員に確認しましょう。
(料金や日数などはメディアセンターまでご相談ください😄)
*空気や水に曝露されると爆発するものや匂いの強烈なものなど危険な試薬が載っている場合があります。実験前には必ず事前に先輩・教員に試薬の取扱いについて確認したり、自分でその試薬のSDSを調べたりするようにしましょう。
簡単にSciFinder-nの機能解説をいたしましたが、いかがでしょうか。
他にも目的の化合物が使われている論文を調べたりなど有機の研究をする方には必携のものとなっております。
以下のリンクにマニュアルが載っているので、是非ご確認ください。
https://www.jaici.or.jp/cas-scifinder-discovery-platform/
浦野